2016年12月15日(木)
オスプレイ墜落、大破
国内初の重大事故
沖縄・名護 知事 厳重に抗議、配備撤回要求
米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸機MV22オスプレイ1機が13日午後9時30分ごろ、名護市安部の沿岸から約80メートルの浅瀬に墜落し、機体が大破しました。乗組員5人は全員が救助され、2人が負傷。米海軍病院に搬送されました。沖縄県の翁長雄志知事は14日、外務省沖縄事務所と沖縄防衛局の担当者を県庁に呼び、厳しく抗議。オスプレイの飛行中止と配備撤回を求めました。
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集落から数百メートル
墜落現場は、民家が並ぶ集落から数百メートルしか離れておらず、取り返しのつかない重大事故の可能性もありました。県内では各地で抗議行動が展開されました。
オスプレイは開発段階の1990年代から墜落など重大事故を続発させていましたが、国内での重大事故は2012年10月の配備以来、初めてです。オスプレイは、米空軍横田基地(東京都)など本土でも訓練・配備計画があるため、沖縄県のみならず日本全国で不安や配備撤回を求める声が高まるのは必至です。
在沖縄米軍トップのニコルソン第3海兵遠征軍司令官は14日の記者会見で事故の経緯を説明。それによれば、13日夜、オスプレイ1機が沖縄本島沖約30キロで空中給油を行っていた際、ローターがホースを切断し、ブレード(翼)に入って損傷。機体が不安定になったため、飛行士が普天間まで飛ぶのは危険と判断し、「着水」したといいます。
防衛省が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員らに説明した内容によれば、オスプレイ2機とCH53大型ヘリ(いずれも普天間所属)、KC130空中給油機1機(山口県・米海兵隊岩国基地所属)の4機が同時に飛行していました。
菅義偉官房長官は14日の記者会見で「パイロットの意思で着水した」と述べ、「墜落」ではないとの認識を示しました。これについて翁長知事は「県としては、機体が大破している状況から墜落だと認識している」と指摘しました。
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別オスプレイ 胴体着陸
普天間基地
米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のMV22オスプレイが墜落した事故で、別のオスプレイが13日夜に同基地に胴体着陸していたことが分かりました。ニコルソン司令官が14日の記者会見で明らかにしました。
在日米軍によると、機体の不具合で前輪が出ず、胴体着陸のような状態になったといいます。