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2016年12月14日(水)

カジノ解禁 誰のため

癒着 違法性 海外資本 闇の構造

参院内閣委 大門議員の追及

「ギャンブル依存症製造計画」そのもの

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(写真)法案提出者(手前)に質問する大門実紀史議員(中央)=13日、参院内閣委

 カジノ推進勢力と関連業界の癒着、民営賭博と刑法の壁、日本人の資産をねらう海外巨大カジノ資本の暗躍―。日本共産党の大門実紀史議員は13日の参院内閣委員会の質疑で、カジノ解禁推進法案をめぐる闇の構造と法的限界を厳しく追及しました。

関連業界、推進派に献金

 いまは、献金を受けてその企業・業界の利益を図る質問をしただけでも受託収賄に問われる時代です。

 大門氏は「議員立法を出し、特定の企業や業界に利益誘導するのはもっとも危ない話だ」と指摘し、法案提出者がカジノ関連企業であるパチンコ・パチスロ、ゲーム機器メーカーなどから政治献金を受けたり、パーティー券を購入してもらっていないかただしました。

 法案提出者の西村康稔衆院議員(自民党総裁特別補佐)は、自身が代表を務める政党支部が大阪府のスロットマシン製造販売業「パイオニア」から2013年から3年間に111万円の献金を受け、小沢鋭仁衆院議員(日本維新の会)の資金管理団体はパチンコホールで全国チェーン展開している「ダイナム」から13年と15年に計130万円のパーティー券代を受け取っています。

 とくに「ダイナム」は、事業計画に「ジャパン・カジノへの挑戦」をかかげ「日本でのカジノ参加が決定すれば、当社グループの新たな事業の柱になる」としているカジノ推進企業。国内のカジノ解禁で大きなもうけをもくろんでいます。

 大門氏が、資金の返還をしないのかただしたのに対し、小沢氏は「検討する」と答えました。

 大門氏は、カジノ利権に群がる黒い疑惑について「党として徹底して調査する」と表明しました。

「民営」は合法化できず

 カジノは賭博であり、それを合法化するのであれば、競馬や競輪などの公営賭博と同様、刑法の違法性を阻却(とりはずすこと)しなければなりません。

 カジノ法案は、自民党が06年にまとめた法案要綱の段階では、地方自治体を運営主体とする「公設カジノ」とされていました。それが「完全民営化」した「民営カジノ」に大転換をとげたのは、旧民主党議員を中心にした超党派のカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟)が11年8月にまとめたカジノ法案でした。

 「公設、公営、公益のため」という原則で公営賭博を認めてきた従来の法体系からは「民営カジノ」の違法性の阻却など論外です。法務省は12年4月、民主党合同部会に「民営賭博はむずかしい」という態度をとり、違法性阻却の具体的な要件を示しました。

 大門氏は、現在の法体系では民営カジノは合法化できないという原則を確認するために、当時の民主党法務部会長だった松野信夫氏や法務省刑事局の当時の担当者らを参考人として招致することを要求。難波奨二内閣委員長は「理事会で協議する」と答えました。

 なぜ違法性阻却が困難な民営カジノになったのか―。大門氏は「日本のカジノに具体的なスポンサー、海外勢が現れ、投資効率が高い完全民営を求めたのではないか」と論をすすめました。

ねらいは日本人の貯蓄

 法案提出者の細田博之自民党総務会長は、カジノ議連会長として、多くの海外カジノ資本関係者と会ってきたなかで、「観光や雇用にもつながるといわれた。カジノのノウハウ(知識や経験)が日本にはないから、海外企業と日本企業のジョイントになる」とのべました。

 大門氏は「海外のカジノ資本は日本に進出して外国人の観光客を増やすなどとはいっていない。彼らの狙いは日本人の金融資産が大きいからだ」と指摘しました。海外の投資銀行などの試算でも、日本のカジノから得られる利益の大半は、日本人客からだと見込んでいます。

 大門氏は、カジノ推進派のシンクタンクとなっている大阪商業大学の谷岡一郎学長が新聞紙上でカジノの「効果」として「海外からの投資が盛んになり、高齢者のタンス預金など“世の中に出て来にくいカネ”が回り始める」と公言していることをあげ、「日本人を繰り返しカジノに行かせ、金を巻き上げようとするカジノはギャンブル依存症製造計画だ」と強く法案に反対しました。


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