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2016年12月10日(土)

カジノ解禁推進法 中東和平の観点からも反対

もうけが戦争の資金に

元国連人権高等弁務官事務所パレスチナ副所長 高橋 宗瑠さんに聞く

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 安倍政権と与党が推し進めるカジノ解禁推進法案について、中東和平の観点から反対論を唱える元国連人権高等弁務官事務所パレスチナ副所長の高橋宗瑠さんに聞きました。(豊田栄光)


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(写真) たかはし・そうる 1968年生まれ。元国連人権高等弁務官事務所パレスチナ副所長。現在は英国人権団体の日本代表、青山学院大学講師(国際人権法)

 意外に思われるかもしれませんが、私は中東和平の観点から日本がカジノを解禁、推進することに反対です。

「戦争屋」が圧力

 米国で「カジノ王」と呼ばれるシェルドン・アーデルソン氏は、イスラエルロビーの中心人物で、イスラエルに周辺国への戦争をけしかける戦争屋でもあります。米政府に、イスラエル寄りの政策を要求し、猛烈な圧力をかけるのがイスラエルロビーの人たちです。

 イスラエルがパレスチナを占領し、その土地や水などの資源を収奪し、兵士による暴力や無人機による爆撃・暗殺など人権侵害を繰り返すことができるのは、米政府の後押しがあるからです。

 イスラエルロビーの人たちは、共和党にも民主党にも大口の政治献金をし、イスラエル政府と右派組織とも濃密な関係をもっています。アーデルソン氏は共和党への巨額の献金者としても有名で、トランプ次期大統領へ2500万ドル(約28億円)提供したと報じられました。

 当初、トランプ氏はパレスチナ問題では中立だと宣言していましたが、途中から態度をイスラエル寄りに変えました。

 アーデルソン氏は、カジノが解禁されれば日本に進出すると公言しています。日本のカジノでもうけたお金が、イスラエルの戦争政策推進のための資金となる危険は十分にあるわけです。

 安倍首相のトランプ詣での直後に、カジノ解禁推進法案の国会審議が始まり、異常なスピードで衆院を通過しました。何か言われたのかと勘繰りたくなります。

国際的立ち位置

 安倍政権は、武器輸出三原則を変更し、イスラエルへの兵器輸出・共同研究に道を開こうとしています。無人機の共同開発を考えているとの報道もありました。

 「日本は中立だから中東では信頼されている」とよくいわれますが、そんな状況ではなくなりつつあると思います。カジノ解禁・推進が、日本の国際社会での立ち位置とも関係する問題だととらえることも必要です。


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