2016年12月10日(土)
美浜原発3号機 新規格なら不合格
藤野氏 原子力規制委の審査批判
40年を超える運転期間延長を11月に認可された関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)について、新しい規格では不合格となる蒸気発生器の耐震評価を古い規格を用いて原子力規制委員会の審査に合格していたことが分かりました。9日の衆院原子力問題調査特別委員会で日本共産党の藤野保史議員が指摘しました。
藤野氏は、審査のあり方について「こういうことをやっていては、国民の信頼は全く得られない」と批判しました。
藤野氏は、美浜3号機と同じ関電の高浜原発1、2号機で、同時期の設置変更許可申請にもかかわらず、蒸気発生器伝熱管の耐震評価で用いた規格が異なると指摘。高浜1、2号機では日本機械学会が2005年に作成した規格ですが、美浜3号機は日本電気協会が1984年に作成した規格が用いられています。
関電の申請では、美浜3号機と高浜1、2号機の蒸気発生器伝熱管の材質や使用温度は同じ。本来なら耐えられる応力の値(評価基準値)は同じになるはずですが、申請ではそれぞれ539メガ(メガは百万)パスカルと481メガパスカルと異なります。
美浜3号機で想定すべき地震の揺れ、基準地震動(993ガル、ガルは加速度の単位)によって、伝熱管にかかる応力値は527メガパスカル。新しい規格を用いたとすれば、高浜1、2号機と同じ評価基準値481メガパスカルを超え、審査不合格になります。
藤野氏は、新しい規格では美浜3号機は合格しないので、関電は古い規格を用いたのではないかと指摘。「肝心のところで関電のいうがままになっている」と、規制委の審査の甘さを批判しました。