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2016年12月8日(木)

カジノ法案 田村智子議員の質問

参院本会議

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 カジノ解禁推進法案について、日本共産党の田村智子議員が7日の参院本会議で行った質問(要旨)は次の通りです。


 衆院での拙速な審議に対し、新聞各紙は一斉に社説で厳しく批判しました。直近の世論調査では「カジノ解禁に反対」が約6割です。国民大多数が反対する悪法を短時間の審議で強行採決するなど決して許されません。徹底審議を強く求めます。

 発議者は「カジノの面積は(IR=統合型リゾート)全体の3%程度にすぎない」と強調します。海外のカジノは、面積は数%でも、施設全体の売上高の80%以上を稼いでいます。カジノ抜きにIRは成り立ちません。本法案の本質はカジノ・賭博場の解禁です。

 カジノは賭博であり犯罪です。なぜ賭博が刑法で禁じられているか。法務省は、最高裁判例(1950年11月22日)に基づき「人々を依存症におとしいれ、仕事をなまけさせ、賭けるお金ほしさに窃盗、横領などの犯罪まで誘発して公序良俗を害する。また、賭博が横行すればまともな経済活動も阻害される」と答弁しています。

 明治以来、賭博が刑法で厳しく禁止されてきたのは、賭博が歴史的に多くの重大犯罪を生み、多くの人々の不幸を招いてきたからにほかなりません。

 本法案は、公的主体に限定的に認めてきた賭博を、歴史上初めて民間にも解禁する道を開くものです。公営主体に限定してきた法的根拠を葬り去り、賭博の規制の仕方を根本的に変え、IRに留まらず、賭博の民営化をさらに広げる根拠となる危険性さえあります。

 安倍内閣は、「日本再興戦略」でIRを観光振興策とします。「国民経済に重大な障害を与える」(最高裁判例)ものが、なぜ「経済成長の目玉」なのか。賭博は、人の弱みに付け込んでギャンブル依存に陥れ、人の不幸によって利益を上げるものです。犯罪行為の賭博を解禁し、人のカネを巻き上げることが「成長戦略」とはあまりに情けなく、恥ずかしい。

 ギャンブル依存症対策について発議者は、ギャンブル業者から集めた納付金で依存症対策を行うと述べました。麻薬を解禁し、麻薬販売業者から納付金を集めて依存症対策を取ると言っているようなものです。

 ギャンブル依存症は、アルコールや薬物の依存症と比べて、病院につながることが難しく、病院での治療は多重債務や横領などを起こし「重症化」してからになる事例が多いと聞きます。重症化してから対応するのでは「対策」とはいえません。新たなギャンブル依存症を増やさない「対策」は、カジノを解禁しないこと以外にありません。

 カジノ推進者が称賛するシンガポールのカジノでは、依存症対策として厳格な入場規制等を行いました。しかし、開業から4年で入場禁止者は20万人を超え、自己破産も急増しています。

 日本ではパチンコによるギャンブル依存症が深刻な社会問題となっています。このうえ民間賭博を解禁すれば、世界一のギャンブル国家・依存症国家になってしまいます。このような前代未聞の悪法を会期末目前に成立させるなど、断じて許すわけにはいきません。


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