2016年12月7日(水)
強制連行で鹿島建設提訴
北京地裁 中国人被害者・遺族ら
【北京=小林拓也】第2次世界大戦中に日本に強制連行され、過酷な労働を強いられた中国人被害者や遺族計27人が6日、鹿島建設(旧鹿島組)に対し謝罪と賠償を求める訴状を北京市第3中級人民法院(地裁)に提出しました。原告側弁護士によると、原告数は今後増える見込みです。
2014年から中国の被害者らが、日本コークス工業(旧三井鉱山)と三菱マテリアル(旧三菱鉱業)を北京の地裁に相次いで提訴しましたが、鹿島建設に対しては初めてです。
原告側によると、被害者は1944年5〜10月に日本に強制連行され、長野県や群馬県の事業所で労働を強いられました。原告は鹿島建設に対し、謝罪と1人当たり100万元(約1650万円)の賠償金、日中主要紙への謝罪広告の掲載などを求めています。
鹿島組は戦時中に五つの事業所で1888人の中国人に労働を強制し、うち539人が犠牲となりました。45年6月には秋田県の花岡鉱山で過酷な労働に耐えかねた中国人らが蜂起する事件も発生。同事件に関しては2000年に和解が成立しています。