2016年12月3日(土)
笹子トンネル天井板崩落4年
「娘よ、帰ってこい」
遺族ら犠牲者9人を追悼
2012年に中央自動車道の笹子トンネル(山梨県)で起きた天井板崩落から4年を迎えた2日、犠牲となった9人を追悼する式典が同県都留市内で行われました。
同トンネルを管理する中日本高速道路の主催です。
追悼の言葉では、亡くなった石川友梨さん=当時(28)=の母、佳子さん(58)が「(中日本が定めた)要領通りの点検をしていたら、崩落は防げた。9人が命を落とすことはなかった」と、中日本の幹部らに向かって訴えました。
さらに、佳子さんは「あなた方の会社は過失があったと今まで一度も認めることはなかった」と言及。「発生前に点検を2年先延ばしにしたのは誰? 事故直前の点検を省略化したのは誰? なぜそうしたのか、真実を知りたい」と切々と語りました。
発言で、佳子さんは「天井板崩落『事件』」と呼び、中日本などの過失を強調しました。
あいさつした宮池克人同社社長は、同社の過失に言及せず。終了後の会見でも、宮池社長は「過失という言葉は法律用語なので定義をハッキリさせないと難しい」などとのべ、言葉を濁しました。
式典終了後、友梨さんの父、信一さん(67)は「娘に会いたい気持ちがつのる。今朝、トンネルで思わず『お父さん、お母さんの元に帰ってこい』と叫んだ。4年間、中日本から『過失がありました』という表現が一切ない。今後も求め続ける」と語りました。
松本玲さん=当時(28)=の父、邦夫さん(65)は「国民の安全にかかわる、あらゆる企業が、安全に人手と金をかけているか常に検証し続けてほしい」と警鐘を鳴らしました。