2016年12月3日(土)
裁量労働さらに悪化
残業代ゼロ法案 高橋氏が追及
衆院厚労委
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日本共産党の高橋千鶴子議員は2日の衆院厚生労働委員会で、大手広告代理店・電通の女性社員の過労自死事件を取り上げ、長時間労働を野放しにする「残業代ゼロ法案」(労働基準法改悪案)の撤回を求めました。
高橋氏は、電通女性社員が担当していたインターネット広告の仕事は、法案で裁量労働制を拡大する「課題解決型提案営業」に該当すると指摘。労働時間の把握も難しく、労災も証明しにくい裁量労働制を拡大するべきではないと求めました。
高橋氏は、みずほ情報総研の調査をもとに、長時間労働の大きな原因は、人員の割に業務量が多いことだと指摘。「『消灯を早めればよい』といった精神論では解決しない」と強調しました。塩崎恭久厚労相も「さまざまな要因にきちんと対応することが必要だ。精神論ではない」と応じました。
その上で高橋氏は、現行の「企画業務型裁量労働制」に対する厚労省の調査で、1日の実労働時間が10時間を超える人が、最長の人の場合で75%となるなど、長時間労働の傾向が出ていることを紹介。「長時間労働になることが分かっているのなら、対象を拡大する必要などない」と批判しました。
高橋氏は、厚労省の検討会が、長時間労働を「法的に上限規制をしても効果がない」などの議論をしていることを告発。「何のための『働き方改革』か」と迫りました。
塩崎氏は「規制をするという方向だけで議論をお願いしているわけではない」と強弁しました。