2016年12月3日(土)
首相「名目年金額下がる」
年金カット法案 田村議員に認める
参院審議入り
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公的年金の改定ルールの大改悪を盛り込んだ「年金カット法案」(国民年金法等改定案)が2日の参院本会議で審議入りしました。質問に立った日本共産党の田村智子副委員長は「賃金が下がる局面では、現在のルールより年金支給額を引き下げることになる」と追及。「年金カットではない」と強弁してきた安倍晋三首相は「賃金に合わせて名目の年金額は下がることになる」と認めました。
田村氏は、法案について「ひたすら低い方に合わせるもので、直近10年間に当てはめると、現在の年金より3%以上、給付水準が下がることになる」と指摘、「ルール改定によって引き下げられた年金が次世代に引き渡され、現役世代にとってもマイナスにしかならない」と強調しました。年金の伸びを物価・賃金の伸び以下に抑制する「マクロ経済スライド」の改悪についても「消費税増税などでどんなに物価が上がっても年金は実質減額になる」と批判しました。
安倍首相は「むしろ過去、賃金が下がったときに年金額を下げてこなかった」ことが問題だと開き直り、際限のない年金削減を進めることを認めました。
田村氏は、貧困が進む高齢者と家族の生活を脅かすと批判。安倍首相は「社会保障全体を通じた低所得者対策を講じる」と、社会保障の負担増を進めている実態と矛盾する答弁でごまかしました。
田村氏は「年金水準の切り下げで年金財源を確保するというのは、高齢者の尊厳を踏みにじる政治の貧困の表れだ」と主張。国庫負担の引き上げや高額所得者の保険料引き上げなど「格差の是正で安心できる年金制度へ転換すべきだ」と求めました。
民進党の川合孝典議員も「目先の財源のみにとらわれ、公的年金の最低保障機能を低下させる。いったん取り下げ、再検討すべきだ」と主張しました。