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2016年11月29日(火)

カード会社のこんな勧誘 ご用心

説明では破格ポイント→入会したら途中打ち切り

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 「たくさんポイントが付くと期待して入会したのに、会社の都合でポイント付与が途中で打ち切られた」―。破格のポイント付与を売りにしたクレジットカード会社の入会キャンペーンに入会者から怒りの声があがっています。(矢野昌弘)


 大阪府に住む会社員の男性(46)は5月、外資系カード会社のクレジットカードに入会しました。

 そのカードの年会費は約3万円と、高額です。それでも入会特典で会費以上の利点があると考えたからです。

 特典とは「公共料金などを対象としたボーナスポイントプレゼント」というもの(図参照)。公共料金などの引き落とし先をこのカードに変更すれば、3カ月間は公共料金などの支払い1件ごとに2000ポイントがもらえるというものです。たまったポイントは1ポイント=0・3円に換算して、買い物に充当できます。

 男性は、自身が持つすべての公共料金の引き落とし先をこのカードに変更。友人らにも入会を勧めました。

 しかし、9月上旬。カード会社から突然、この特典の中止を告げるメールが送られてきました。男性がそれまでに得たのは2カ月分。残り1カ月を残しての終了でした。男性は、会社に抗議。会社は10月末に「調整」として1万ポイントを付与して、キャンペーンを終了しました。

 男性は憤ります。

 「私はポイントをいくらかもらったが、私の勧めで入会した友人のなかには、ほとんど得られなかった人もいる。人間関係に影響を与えかねないやり方が許せない。政府はポイント発行企業をきちんと指導してほしい」

 企業が発行するポイントは、急速に定着しつつあります。野村総合研究所の推計によると、国内11業界が発行したポイントやマイレージは8495億円(2014年度)にのぼります。このうちクレジットカード業界の発行額は2313億円と最多です。

 企業側が、顧客の囲い込みだけでなく、呼び込み効果も期待して、今後も拡大させることが予測される企業ポイント。それにもかかわらずルール違反やトラブルを指導・解決する法律がありません。

 経済産業省は09年にガイドラインを制定しています。しかし経産省の担当課は「事業者がガイドラインに沿っていないからといって、指導することはない」といいます。

 企業任せが実情の中、トラブルも起きています。国民生活センターによると、ポイントをめぐるトラブルは「常に一定数の相談が各地のセンターへ寄せられている」といい、過去の相談事例をホームページ上で紹介しています。

図

国民生活センターに寄せられた事例から

 ●30歳代・男性 勧誘で「クレジットカードのゴールド会員になって、携帯電話料金の引き落としをすれば、携帯料金の10%相当のポイントが付与されるので、カードの年会費分を上回るポイントが得られるので、損をすることはない」と説明された。入会したが、あまりポイントが付かないので、会社に問い合わせると「ポイントが付く料金部分と付かない料金がある。年会費の方が高くなる場合もある」と言われた。そんな説明は事前に聞かなかった。納得いかない。

 ●50歳代・女性 街頭で、「ポイントがたまるカードをつくりませんか」と勧誘され、申し込んだら、後日、ポイントカードとともにクレジットカードが送られてきた。申し込みの際、「クレジットカードを持つつもりはない」と言ったにもかかわらず、クレジットカードをつくられた。


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