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2016年11月29日(火)

主張

臨時国会の会期末

悪法成立のための延長許さず

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 政府や与党が提出した法案が国会の会期中に成立しないからと、むやみに会期を延長したのでは国会の審議は空洞化してしまいます。安倍晋三政権は昨年の戦争法案の審議でも、通常国会の会期を戦後最長の95日間も延長しました。今度の臨時国会でも環太平洋連携協定(TPP)承認案やその関連法案、「年金カット法案」を成立させるため、30日に終わるはずの会期を延長しようとしています。異常な審議や強行採決を重ね、それでも成立しないと会期を延長するとは無法が過ぎます。悪法成立のための延長はやめるべきです。

国民の意思踏みにじる

 国会は開会中に限って議案の審議ができるという「会期制」の原則は、国会での十分な審議を保障するために設けられているものです。会期中に成立しなかった議案は通常次の国会に継続しない「会期不継続」も原則です。通常国会は1回、臨時国会は2回延長できますが、政府や与党の都合でむやみに延長したのでは、多数党の横暴がまかり通ってしまいます。

 安倍政権が狙う臨時国会の会期延長が、TPP承認案・関連法案や衆院厚生労働委員会で先週末強行採決した「年金カット法案」を成立させるためなのは明らかです。強行に強行を重ねた法案の成立のため会期を延長するなどというのは議会制民主主義を乱暴に破壊するだけでなく、これらの悪法に反対してきた国民の意思をも踏みにじることになります。

 会期末を目前にしたマスメディアの世論調査によると、TPP承認案などについて、共同通信の調査で「成立こだわらず慎重審議」は69・4%、「成立させる必要はない」は12・6%で、「今国会で成立」は14・4%しかありません。「日経」の調査でも今国会成立に反対と賛成が37%と対立しています。

 「年金カット法案」については共同通信の調査で「反対」が58・0%で、「賛成」の33・8%を大幅に上回り、「日経」調査でも「反対」が57%と、「賛成」の29%の約2倍に達しています。圧倒的多数を占める反対の世論を踏みにじってまで会期を延長し、成立を強行する道理はありません。

 TPP承認案なども「年金カット法案」も審議は全く不十分ですが、その中でも重大な問題点が明らかになっています。TPP承認案については農業や「食の安全」、医療や雇用などを脅かす問題点に加え、日本とともにアメリカが批准しなければ発効しないのに、トランプ次期米大統領が就任と同時に「離脱」する意向を明らかにし、発効の見通しが立たなくなっています。安倍政権がTPPに固執し続ければ、トランプ氏が主張する2国間交渉などでいっそう大幅譲歩を迫られるのは確実です。

強行採決の狙いも隠さず

 賃金が下がれば物価が上がっても年金支給額を引き下げる「年金カット法案」は、高齢者だけでなく将来年金を受け取る世代にも重大な影響を及ぼす悪法です。

 安倍政権は会期延長と合わせ、衆院の委員会で強行採決した法案を本会議でも強行しようとしています。首相も「私が述べたことが理解してもらえないならこんな議論を何時間やっても同じ」とまともに審議する姿勢がありません。

 会期延長も強行採決も許さず、TPPも「年金カット」も廃案にする国民のたたかいが重要です。


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