2016年11月28日(月)
石炭火発推進 転換を
衆院委 温暖化対策、世界に逆行
塩川氏が批判
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日本共産党の塩川鉄也議員は25日の衆院環境委員会で、石炭火力発電の国内新設と海外支援を一体で進める安倍政権は「温暖化対策で世界の流れに逆行している」と厳しく批判し、転換を求めました。
日本政府は2030年までの温室効果ガスの対13年比26%削減を達成目標としますが、国内では石炭火力発電48基(2284・1キロワット)の新増設が計画されています。塩川氏が「温暖化対策にとって極めて深刻な事態だ」とただすと、山本公一環境相は「石炭火力発電の新増設が制約なく進むと、国の削減目標の達成が危ぶまれる。対策として、毎年(削減目標の)進捗状況をレビュー(精査)していく」と答えました。
塩川氏は、対策計画の基となっている「環境・経産両大臣の合意」の大本である「関係局長級会議取りまとめ」(13年4月)で、電気事業者の目標達成手段として、日本の技術や製品を提供して減らした他国の温室効果ガス排出量を日本の排出枠として得る仕組み(パリ協定の2国間クレジット制度)の活用も“可能”としていると指摘。「国内の削減努力を疎かにするものだ」と追及しました。
山本環境相は「指摘は痛いほどわかる。石炭火力は、より抑制的であるべきだ」と繰り返すだけ。塩川氏は、「石炭火力発電を推進するエネルギー基本計画を見直すべきだ」と強調しました。
塩川氏は、日本が海外で支援する大規模石炭火力発電を2国間クレジット制度の対象にしようとしているとして、「石炭火力推進のインフラシステム輸出戦略を見直すべきだ」と主張しました。