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2016年11月28日(月)

NHK日曜討論 小池書記局長の発言

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 日本共産党の小池晃書記局長は27日のNHK「日曜討論」で、終盤国会の焦点課題について与野党の政策責任者と討論しました。


年金カット法案

強行採決に不信 納得いく議論を

 25日に自民、公明、維新が強行採決した「年金カット」法案について、自民党の茂木敏充(もてぎ・としみつ)政調会長は「国民の年金だから政争の具にせず、良いものにしていく」と述べ、公明党の石田祝稔(のりとし)政調会長は「年金の将来にわたる信頼性確保が大事だ」と述べました。

 小池氏は「信頼するかどうかは国民が決めることだ。与党は、国民の声を聞くための参考人質疑をやったその日に強行採決した。国民の声を一顧だにせず強行するのは、国民の不信を強めるだけだ」と批判しました。「法案の年金カットは5年後から発動する。なぜ会期末目前に急いで強行するのか。信頼性確保というなら、今までのルールを大きく変えるのだから、国民の納得いくまで議論するのが当然だ」と主張しました。

 民進党の大串(おおぐし)博志政調会長は「年金の根幹を変える内容であり、将来の年金額に関する政府の試算も説明も不十分だ」として「断じて賛成できない」と述べました。

 茂木氏が「将来世代の年金水準が下がらないようにするため」と言い訳したのに対し、小池氏は「賃金が下がれば下がる仕組みにしているんだから、年金水準が下がるのは間違いない。下がった年金が引き渡されるんだから、将来世代も年金が下がる仕組みだ」と指摘しました。

 政府が「世代間の公平性」を理由にしていることが議論となり、小池氏は「世代間を対立させるべきでない。高齢者が安心できる年金制度は、若い世代にとっても親の生活費への心配を取り払うことだ」と指摘。「年金を減らせば地域経済が打撃を受け、現役世代の雇用が減って暮らしが悪くなることで将来の年金制度も悪くなる」と強調しました。

 小池氏は、年金財源について「社会保障の財源といえば何でも消費税というのでは出口のない議論になる」と指摘しました。非正規社員の正規化や、大幅な保育所増設で年金の支え手を増やすこと、さらに厚生年金保険料も月収62万円を超えたら頭打ちだが、それをたとえば健康保険並みの月収139万円まで引き上げれば1・5兆円も収入が増えることを示し、「こういう改革を真剣に検討し、カットではなく希望のもてる方向こそ議論すべきだ」と述べました。

TPP・日米関係

批准の意味消失 従属関係見直せ

 環太平洋連携協定(TPP)の承認・関連法案や今後の日米関係が議論になりました。茂木氏は米国のトランプ次期大統領が、就任初日にTPP離脱を通知すると表明しても日本は批准を進めるとし、「日本が世界で主導的立場をとっていく」、石田氏は「自由貿易に対するスタンスを示すことになる」とのべ、TPP承認に固執する姿勢を示しました。

 小池氏は「TPPは米国が入らないと発効しない。発効しない条約を批准することにどういう意味があるのか。協定案の提案理由から全てが瓦解(がかい)したのだから、立ち止まり、日本はどうするのかしっかり議論すべきだ」と主張。さらに「今の自民党は官邸がこうと決めたら、やめようという人が出てこないのが不思議だ。会期延長には断固反対だし、強行採決を繰り返すやり方は、やめるべきだ。米国が入らないといっているのだから、日本はどうするのかしっかり議論すべきだ」と述べました。

 大串氏は「TPPの条約の内容に問題がある。米国次期大統領が離脱表明するなか、なぜ日本だけが前のめりなのか。一呼吸おくべきだ」と主張しました。

 小池氏は、安倍晋三首相がトランプ氏と真っ先に会談し、「信頼できる関係にあると確信した」と首相が述べたことについて、「会談直後にTPP離脱と言われ、外交上の成功とはとてもいえない」と指摘。「世界がトランプ氏の差別発言などを警戒しているときに異様な対応だ。米国にひたすら付き従う対米従属性がはっきり出た」と批判しました。

 貿易についてトランプ氏が二国間協定推進の姿勢を示していることにふれ、小池氏は「米国の要求を露骨に突きつけられる道に引きずり込まれる」と強調。「日米同盟がこのままでいいのか、安保条約や基地問題も含めて根底から考え直すべき時だ。従属関係を本気で見直す21世紀にすべきだ」と述べました。

 茂木氏は「“米国がTPPをやめるから日本もやめる”というのが、まさに米国追随だ」と強弁。小池氏は「(TPPに関しては)米国追随で抜けろと言っているのではない。米国が入らないと発効しないのだから意味がない」と強調しました。

南スーダンPKO

和平合意は崩壊 非軍事支援こそ

 南スーダンPKO(国連平和維持活動)の自衛隊に対する「駆け付け警護」の任務付与について、茂木氏は「応急・一時的措置だ。首都ジュバは比較的落ち着いている」と正当化しました。

 これに対し小池氏は、国連特別独立報告書は「南スーダンの和平合意は崩壊した」とのべ、4000人の地域防護部隊をジュバ付近に派遣することをあげて、「(治安が)安定しているというのは本当に無責任な発言だ」と批判しました。NHKの世論調査でも「駆け付け警護」反対が賛成の2倍にのぼることを指摘し、「自衛隊員を殺し殺される現実的な危険にさらすようなことは絶対やるべきでない。自衛隊は撤退して、憲法9条にもとづく非軍事の人道支援に徹するべきだ」と主張しました。

 PKO活動への自衛隊派遣について維新の下地幹郎政調会長は「自衛隊の役割は大きくなっていく。しっかりすすめていく」と表明しました。

 小池氏は「PKOは変質してきている。自らが交戦主体となって武力を行使し、住民保護を主任務にするようになっている。憲法9条を持つ日本がそもそも参加できないものになりつつある」と指摘。「国連の活動はPKOだけじゃない。さまざまな国連機関が各国のNGO(非政府組織)と協力して食糧支援、難民支援、人道支援をやっている。9条を持つ日本はそういうところでこそ力を発揮できるし、そうするべきだ」と述べました。

 大串氏も「小池さんがおっしゃった、PKO自体が軍事に近い領域に入っていく懸念を持つような『駆け付け警護』に、懸念を覚えると言わざるをえない」と述べました。

 これに対し石田氏は「PKOが変質しているところには行けない」と言い訳。小池氏は「南スーダンはまさにいけない場所だ」と批判しました。

 茂木氏は「駆け付け警護」について、「他国の軍隊を守ることは想定していない」とごまかしましたが、小池氏は「稲田防衛相は『法的には排除されない』と国会で答弁している」と指摘しました。


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