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2016年11月27日(日)

倫理崩壊 安倍政権の象徴

暴走・暴言…鶴保沖縄担当相

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 「土人」発言擁護、スピード違反容疑で書類送検など、安倍政権のモラルハザード(倫理観の欠如)の象徴ともいえる鶴保庸介沖縄担当相(参院和歌山選挙区)に、今度は「政治とカネ」の疑惑が噴き出しました。鶴保氏の言動を検証すると―。(藤沢忠明)


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疑われる閣僚の資格

 もっとも重大なのは、10月中旬、沖縄で基地建設に反対する住民に大阪府警の機動隊員が「ぼけ、土人が」と罵声を投げつけたことに対する発言です。

「土人」発言を差別と認めず

 「土人」というのは、「その土地に生まれ住む人。土着の人」「未開の土着人。軽侮の意を含んで使われた」(広辞苑)言葉です。かつて、日本には、1903年、大阪で開かれた「内国勧業博覧会」で、沖縄県民や朝鮮人、台湾先住民らを“七種の土人”と呼んで見せ物にした「人類館事件」という恥ずべきことがありました。

 大阪府警は「軽率で不適切な発言」として機動隊員を処分。菅義偉官房長官も記者会見で「許すまじきことだ」とのべ、金田勝年法相も「土人は差別用語」と国会で認識を示しました。

 ところが、異様な対応をしたのは鶴保氏。11月8日の参院内閣委員会で日本共産党の田村智子議員の質問に、「差別だと断じることは到底できない」と擁護したのです。

辺野古訴訟は早く片付けて

 鶴保氏は8月4日の就任会見で、「大きな意味では、沖縄の振興策と基地問題は確実にリンクしている」とのべました。

 10月10日、沖縄県出身の自民党衆院議員のパーティーでは、「県民の方々が喜ぶような振興策を作らなければ選挙は(勝ち目が)ない。そういう意味で振興策と選挙はリンクしている」と発言。政府が県と争う辺野古違法確認訴訟の高裁判決前には、「注文はたった一つ、早く片付けてほしいということに尽きる」と語りました。

 あくまでも沖縄に基地押しつけを迫る意図があらわです。

スピード違反「一つの経験」

 鶴保氏が閣僚就任後、問題になったのは、高速道路を40キロの速度超過容疑で書類送検されたことです。しかも、自らも候補者としてたたかっていた7月の参院選さなかのことでした。「選挙応援の要請があり、和歌山から新大阪へ急いでいた」と釈明しましたが、06年10月にも、大阪府内の国道で制限速度を約35キロ超過、罰金7万円の略式命令を受けたことがあります。

 鶴保氏は、9月6日の会見で、「深く反省している」と“謝罪”したものの、「これも一つの経験だと前向きにとらえる」と強調しました。ただ、あきれるしかありません。

パー券購入「口利き」疑惑

 今回、明らかになったのは、自らの資金管理団体が13年4月に開いた政治資金集めパーティーで、観光振興を目的にした山梨県内のNPO法人の副代表理事が、他人の名義を偽って複数名義で政治資金規正法の上限を超えるパーティー券200万円分を購入していたというものでした。

 問題は、副代表理事が、同年1月11日にパーティー券を購入した5日後に、NPO代表らを伴い、国土交通副大臣として観光庁を担当していた鶴保氏と副国交相室で面会し、同年3月に、NPOが同庁の補助事業(78件)に選ばれました。613件の応募があり、約8倍の倍率を突破してのものでした。

 鶴保氏は、21日の衆院決算行政監視委員会で、「私や事務所が口利きしたことは一切ない」と便宜を図った疑惑を否定してみせましたが、説明責任が求められています。

かばい続ける内閣

 鶴保氏の一連の言動は、沖縄を担当する閣僚としての資格が疑われるものですが、安倍政権は、鶴保氏をかばい続けています。「土人」発言擁護についての質問主意書に、「謝罪し国会での答弁を訂正する必要はない」との答弁書を閣議決定しています。まさに安倍自公政権の倫理崩壊を示しています。


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