2016年11月25日(金)
「平穏」を装い派兵か
井上議員 政府説明をただす
参院外防委
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日本共産党の井上哲士議員は24日の参院外交防衛委員会で、政府が南スーダンの情勢を「平穏」と装い、「駆け付け警護」などの新任務を付与して自衛隊を派兵したのではないかとただしました。
11月10日付の国連事務総長報告は「ジュバ及びその周辺の治安状況は引き続き不安定である」と述べています。一方、日本政府は、「ジュバは平穏」であり、南スーダンで起きているのは「戦闘」でなく「衝突」だと説明し続けています。
井上氏は、「戦闘発生箇所」と明記した陸上幕僚監部作成の第10次要員(5月派兵)の家族説明会用資料を提示。また、南スーダンを視察(10月8日)した稲田朋美防衛相が現地で「この辺で『戦闘』が起きた」との自衛隊員の説明をうなずきながら聞いていたニュース映像に触れ、「現地の部隊も大臣も、戦闘だと認識していたのではないか」と指摘しました。
その上で、第11次要員(今月派兵)の家族説明会用資料では「戦闘発生箇所」が削除され「衝突発生箇所」と記されていることを示し、「自衛隊の中では一般的に戦闘だと言っていることを、わざわざ平穏だと印象付けるために『衝突』に言い換えたということではないか」と迫りました。
稲田氏は「法的な『戦闘行為』と混同されかねないので、『衝突』という言葉を使っている」との言い訳に終始しました。
井上氏は「国連事務総長報告がいう“崖っぷち”にある情勢認識も、PKO参加5原則が崩壊しているような事態も覆い隠して、さも安全かのように家族に説明をし、新任務を付与して派遣を継続するということは絶対やめるべきだ」と述べ、南スーダンからの自衛隊の速やかな撤退を求めました。