2016年11月23日(水)
隠される遺伝子組み換え
紙氏指摘 TPPで表示に圧力
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日本共産党の紙智子議員は22日の参院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会で、TPPが遺伝子組み換え作物の安全性より貿易を優先し、米国や多国籍企業の利益を優先する仕組みに変えられる危険性を告発しました。
紙氏は、TPPは未承認の遺伝子組み換え作物の貿易を推進し、未承認作物が混入しても「罰則を含まない」ものだとただすと、石原伸晃TPP担当相は罰則について「各国の判断」と答弁。紙氏は「輸出国の責任をあいまいにするものだ」と批判しました。
紙氏は、食品表示についても、農民連食品分析センターが「遺伝子組み換えでない」と表示している輸入大豆製品から組み換え原料を検出したことを示し、混入の許容率も欧州連合の0・9%に対し、日本は5%と緩いと指摘しました。
また、TPPが「透明性の確保」や「貿易の円滑化」の名で規制を緩和し、企業などに意見提出の機会を与えるものだと指摘。石原氏が、大きな影響はないと強弁したため、紙氏は、利害関係者が直接参加して意見を述べる機会まで保障していると主張しました。
紙氏は、米国で遺伝子組み換え食品の表示義務が見送られた背景に業界団体のロビー活動があったとされていることを示し「TPPは、不必要な貿易の技術的障害を撤廃して貿易を円滑化することが目的だ。日本の表示制度を変えるよう米国政府やバイオ企業などから圧力がかかるのは明らかだ」と主張しました。
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