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2016年11月22日(火)

「民泊」 TPPを先取り 参院特

規制緩和で安全・衛生に問題 辰巳議員追及

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(写真)質問する辰巳孝太郎議員=21日、参院TPP特委

 日本共産党の辰巳孝太郎議員は21日の参院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会で、日本で活動する外国企業に対する規制がTPP批准・発効前から緩められつつあることを、「民泊」を例に告発しました。

 住宅を使い宿泊サービスを提供する民泊を安倍政権は積極的に推進。4月には旅館業法にある簡易宿所の要件を緩和しました。

 辰巳氏は、世界最大の米仲介業者だけでも日本に4万5千件の登録物件を有しているのに、要件緩和後の許可件数が51件にすぎないことを追及。大部分が違法営業になっている問題に加え、ごみや治安、騒音などの問題が多発していることを紹介しました。

 辰巳氏は、民泊の法制化を議論していた政府の検討会が、2015年12月の報告では規制の実効性を高めるために外国企業に対し事業所の国内設置を義務づけるべきだと提言していたのに、今年5月の報告ではこれを削除したと追及。外国企業への「現地拠点設置要求」を禁止したTPPの先取りではないかとただしました。

 豊田俊郎内閣府大臣政務官は答弁不能に陥り、たびたび審議が中断。22日のTPP特委冒頭で回答することになりました。

 辰巳氏は、政府の事前の聞き取りではTPPに抵触することを削除理由にしていたと指摘。「TPPで安全や衛生など必要な規制措置ができなくなっている」と迫ると、石原伸晃TPP担当相は「(政府説明が事実なら)委員の指摘は正しい」と認めました。

 辰巳氏はさらに、外国の仲介業者が法令違反を起こした場合の対処を質問。田中良生国土交通副大臣は「日本国内に実体を持たない仲介業者に対する立ち入り検査や罰則の執行は困難を伴う」と述べました。

 辰巳氏は、外国企業だけが罰則から逃れる仕組みだとし、「TPPで競争条件が同一になるといってきたが、そうなっていない」と強調。石原氏は「政府内で整理し、いまの点も含めて答弁したい」と述べました。辰巳氏は「これでは多国籍企業優遇だ」と批判しました。


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