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2016年11月21日(月)

第27回党大会決議案の用語解説 〈下〉

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第3章

共謀罪

 2人以上の人が犯罪をおこなうことを相談・計画すれば、犯罪の実行に至らなくても処罰の対象にすること。相談・計画だけで処罰するので言論や思想という基本的人権を侵す恐れが大きくなります。政府は過去3回にわたって国会に法案を提出しましたが、国民各層の反対が強く、いずれも廃案となっています。政府は法案の名前を「テロ等組織犯罪準備罪」などと変えて次の通常国会にも再提出しようとしていますが、この共謀に該当する犯罪の種類が600余りとテロに関係ないものが大部分で、法案が成立すれば拡張解釈されて国民の人権侵害につながるものです。

日米新ガイドライン

 新たな「日米軍事協力の指針」のこと。ガイドラインは1978年に初めて策定され、1997年の改定を経て2015年4月に再改定されました。同年9月成立の安保法制=戦争法はこれを具体化したものです。新ガイドラインは、自衛隊による米軍支援を「アジア太平洋地域及びこれを越えた地域」に拡大し、地球上のあらゆる場所・領域で起こるいかなる事態にも「切れ目なく」対処するとし、日米安保条約の条文をも完全に踏み越えました。また、「同盟調整メカニズム」「共同計画策定メカニズム」の設置で、自衛隊が平時から、作戦立案・運用の両面で全面的に米軍指揮下に入ることになりました。

PKO参加5原則

 1992年のPKO法制定時に政府が示した、自衛隊の国連PKO参加の条件。(1)紛争当事者間の停戦合意(2)紛争当事者による日本のPKO参加への同意(3)中立的立場の厳守(4)以上のいずれかが満たされなくなった場合の撤退(5)武器使用は要員の生命保護など必要最小限――を挙げています。現在、自衛隊がPKOに唯一派兵されている南スーダンでは、敵対している大統領派と前副大統領派による和平合意が崩壊するなど、「参加5原則は維持されている」との政府の言い分は完全に破たんしています。自衛隊への新任務付与はおろか派兵継続も許されない状況となっています。

国家安全保障戦略

 安倍政権が「国家安全保障会議」(日本版NSC)を設置した直後の2013年12月に閣議決定したもので、おおむね10年程度の期間を念頭に「戦争する国」づくりをすすめるための「戦略」です。「積極的平和主義」の言葉をちりばめつつ、「抑止力の強化」「日米同盟の強化」などを目標とし、自衛隊海外派兵の推進、軍拡、「武器輸出三原則」の撤廃、軍学共同などの方針を掲げています。「核兵器の脅威に対しては、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止が不可欠であり、その信頼性の維持・強化のために、米国と緊密に連携していく」などと明記しています。

武器輸出三原則

 1967年、佐藤栄作首相が国会で、(1)共産圏諸国(2)国連決議で武器輸出が禁止されている国(3)紛争当事国とその恐れのある国――に対して武器輸出をしないと表明しました。1976年には三木武夫内閣が「これ以外の地域への武器輸出も慎む」との統一見解を明らかにし、日本は事実上、「武器輸出全面禁止」をすることになりました。その後、これを骨抜きにするさまざまな動きがありましたが、まがりなりにも半世紀近くにわたり「国是」となってきました。ところが安倍政権は2014年4月に三原則を撤廃することを閣議決定し、「死の商人」への道に踏み出しました。

日銀の「異次元金融緩和」

 安倍政権の意を受け、黒田総裁のもとで日本銀行が進めた金融政策。日銀が民間銀行から国債などを大量に買うことによって、市中に巨額の資金を供給するというもの。世の中に出回るお金の量を増やすことによって物価を引き上げ、デフレを脱却するという狙いでしたが、実際には、供給した資金は民間銀行にとどまりました。この金融政策に乗じた投機マネーの活発化で、円安や株高が引き起こされ、大企業や富裕層にはもうけをもたらしましたが、実体経済の好転にはつながらず、格差の拡大や、日銀が政府の借金財政を支えて浪費を助長するなど、副作用ばかりが大きくなりました。

インターバル規制

 1日の勤務が終わって退社してから翌朝の出勤までに、一定の連続した休息時間を与える制度。日本共産党、民進党、自由党、社民党の野党4党が国会に提出している労働基準法改正案(長時間労働規制法案)にも盛り込まれています。欧州連合(EU)と同様の11時間の連続休息時間が義務づけられれば、深夜12時まで残業した労働者は、翌朝は午前11時の出勤となります。“終電まで残業しても定時出勤”といった過酷な働き方が規制されます。

残業代ゼロ法案

 政府が国会に提出している労働基準法改正案。次の3点で労働者を残業代なしの長時間労働にさらに追いやる内容。(1)管理職ではない「高度専門職」(年収1075万円以上)の一般社員を労働時間規制の適用除外とし、残業代も深夜・休日割増賃金も出ないようにする、(2)裁量労働制(労使が合意した時間を働いた時間とみなし、それ以上働いても残業代が出ない)を、これまで対象外だった営業職にも広げる、(3)始・終業時間を労働者の決定にまかせるフレックスタイム制度(月単位で平均週40時間内に収まれば残業代が出ない)の清算期間を現行の1カ月から3カ月に延ばすというものです。

同一労働同一賃金

 同じ仕事をしている労働者に対して同じ賃金を保障するという、性別や雇用形態による賃金差別・格差をなくすための原則です。男性正規社員に比べて女性正規の賃金は7割、非正規は4割、労働者の4割を占める非正規の賃金は正規の5〜6割と、格差の是正が急務です。安倍政権は「働き方改革」の重要課題に「同一労働同一賃金」を掲げていますが、「多様な働き方」という名で、限定正社員など、名前だけ正社員の低賃金・不安定雇用を拡大しようとしており、全体の賃金水準が下がりかねません。非正規から正規への転換を図るとともに、「同一労働同一賃金」の原則を労働基準法などに明記する法改正が必要です。

官製ワーキングプア

 ワーキングプア(働く貧困層)とは、まともに働いているのに生活保護水準以下の収入しか得られないなど貧困から抜け出せない人たちのこと。国や自治体の仕事に携わる労働者の中にも、そうした低賃金・低処遇の劣悪な労働条件に苦しんでいる人が広がっていることから、この言葉が生まれました。公契約法・条例とは、国・自治体が発注する公共工事や委託業務などで働く労働者に、人間らしく生活できる賃金や、労働条件の最低基準を設けるもの。2010年の千葉県野田市を皮切りに、いくつかの自治体ですでに制定されています。

非関税障壁

 関税以外のことで、「輸入の邪魔になっている」と日米の大企業など多国籍企業が認識するあらゆる手段・ルールを指します。輸入に直接かかわるものでは、たとえば量的制限や検査基準・手続き・認証・表示などさまざまなものがあります。また輸入国の国内状況に応じて、経済的なものから安全・環境などにかかわる社会的なものまで、広範な規制・ルールが存在します。それが「輸入の障害となっている」として、多国籍企業が政府に撤廃・緩和を要求する場合に、その規制・ルールを呼ぶのに使われます。

オスプレイ

 敵地への上陸作戦で使われる航空機。海兵隊の輸送機「MV22」は兵員や物資を輸送し、空軍の特殊作戦機「CV22」は特殊作戦部隊(任務は戦闘、偵察、空爆の誘導、要人の暗殺など)の投入や撤収に使用されます。両翼にある回転翼の角度を変え、垂直離着陸や空中で停止(ホバリング)できるヘリコプターモードと、高速で長距離移動できる航空機モードで飛行します。開発段階から死傷者を出す重大事故を繰り返し「未亡人製造機」とも呼ばれています。MV22の重大事故率は約1・9倍に上昇。CV22の事故率はそれを大きく上回っています。墜落事故原因のエンジンフィルター未改良など構造的欠陥を抱えたまま各地で飛行しています。オスプレイの配備・訓練は米軍の侵略力強化とともに、事故や爆音被害の危険の告発が求められます。

F35

 米軍が世界配備し、「殴り込み部隊」である米海兵隊の侵略力を強化する短距離離陸・垂直着陸可能な戦闘攻撃機。レーダーに探知されにくい高い能力(ステルス性)を持ち、核兵器の搭載もできます。米海兵隊は「航空計画」で、岩国配備や沖縄での訓練が狙われている海兵隊仕様「F35B」は中国との戦争で重要な役割を果たすとしています。ひどい爆音被害のため米国の配備計画のある基地周辺は地元市議会が撤回決議をあげるなど激しい反対運動が起きています。F35の配備・訓練は、米海兵隊の侵略力強化であり国民の命と生活の危険拡大以外のなにものでもありません。

戦後50年の「村山談話」

 1995年8月15日、当時の自民党、社会党などの連立政権のもとで村山富市首相が閣議決定を経て発表した「戦後50周年の終戦記念日にあたって」と題する談話のこと。「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り……植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」と表明。「ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫(わ)びの気持ちを表明いたします」とのべています。戦後60年の小泉純一郎首相談話でも、村山談話にある「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「心からのお詫(わ)び」という表現を踏襲し、自らの言葉として語っています。

革新懇運動

 1980年1月、社会党と公明党は、安保・自衛隊の容認、共産党排除を柱とする「社公合意」を結びました。日本共産党の第15回党大会(80年2〜3月)は、この状況を打開し、統一戦線の結集をすすめるために、「革新統一を語り要望し、そのために共同して行動する自由な連絡、共同の場として、革新統一懇談会を全国的、地方的に組織することを提唱」し、翌1981年に全国革新懇が結成されました。その後三十数年間、革新懇運動は全国の地域、職場などに広がり、「一点共闘」をすすめる要、政治を変える統一戦線を発展させる架け橋として活動しています。

第4章

選挙活動の四つの原点

 「四つの原点」とは、支部が得票目標と支持拡大目標を持ち、選挙勝利を目指して日々の活動を進める活動の柱となるものです。(1)国民の切実な要求にもとづき、日常不断に国民のなかで活動し、その利益を守るとともに、党の影響力を拡大する。(2)大量政治宣伝と対話・支持拡大を日常的におこない、日本共産党の政策とともに、歴史や路線をふくむ党の全体像を語り、反共攻撃にはかならず反撃する。(3)「しんぶん赤旗」の役割と魅力をおおいに語り、機関紙誌の読者拡大をすすめ、読者との結びつきを強め、党を支持する人びとを広く党に迎え入れる。(4)さまざまな運動組織・団体のなかでの活動を強め、協力・共同関係を発展させる。日本共産党後援会を拡大・強化する――などです。

結びつき・つながりを生かして選挙勝利に結実させる「選挙革命」

 「選挙革命」とは、党員と党組織がもつあらゆる結びつき・つながりを生かして選挙勝利に結実させる活動方向のことです。党組織がもつ結びつきは、支持者台帳や後援会名簿などに蓄積されており、日々の活動で新しい結びつきを広げ、整備・補強し、活用していく必要があります。また党員一人ひとりは、家族・親戚はもとより、地域の結びつき、趣味のサークル、同級生、職場の同僚など多種多様な結びつきを持っています。参議院選挙でも「マイ名簿」を生かし、「全国はひとつ」の立場で、これまで訴えたことのない人へ勇気を出して対話に踏み出すなかで、新しい支持が数十、数百と広がる経験が生まれました。これを全党員が取り組めば、新しい支持が大きく広がり選挙勝利に結びつきます。

第5章

「綱領・古典の連続教室」

 2010年9月の第25回党大会2中総の決定にもとづき、中央委員会と全国をインターネット中継で結んで、1年がかりでとりくんだ党史上初めての理論学習です。志位和夫委員長が「綱領教室」を、不破哲三社会科学研究所長が「古典教室」を担当。両講師の2時間、12回の講義が「わかりやすい」と大好評で、綱領的・世界観的確信が全党に広がっています。DVD視聴による学習とともに、各講義それぞれ全3巻の書籍でも学習されています。半年、1年がかりの本格的な「支部教室」が全国に広がり、培われた確信が選挙戦でも力を発揮しました。

労働運動のナショナルセンター

 労働組合の全国的な中央組織。1980年代の共産党排除の政治体制づくりと一体に、労働戦線の右翼的再編がすすみ、89年に反共・労使協調主義を掲げた日本労働組合総連合会(連合)が結成されました。これに抗し、「資本からの独立」「政党からの独立」「一致する要求での行動の統一」の3原則を掲げて全国労働組合総連合(全労連)が結成されました。いずれにも属さない労働組合の連絡協議会として全労協も発足。2014年、安倍暴走政治に対抗して、全労連、連合加盟労組を含む共闘組織「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が生まれ、野党と市民の共闘が発展するもとで、地方・職場での共同も広がっています。


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