2016年11月16日(水)
「TPP復活させるな」
米国首都で市民がデモ
議会承認断念を歓迎
|
【ワシントン=島田峰隆】米国の首都ワシントンで14日、オバマ米政権が環太平洋連携協定(TPP)の議会承認取得を断念したと報じられたことを歓迎し、同様の貿易合意を今後復活させないよう求めるデモ行進がありました。
TPPに反対するさまざまな団体が12日から17日まで共同して取り組んでいる行動の一環です。
行動組織者の一人、マーガレット・フラワーズ氏は「発効の見通しがたたなくなったことは、5年余りにわたる国民の反対運動の成果です」と強調。「次期政権のもとでも大企業を優先した貿易合意の復活を許さず、人権、教育、雇用などを重視する政策をとるよう圧力をかけたい」と語りました。
参加者は「国民は勝利した」「二度とTPPを取り上げるな」などと書いた宣伝物を持ってデモ行進しました。
西部カリフォルニア州から参加したパット・カンゼラーさん(63)は「TPPをとりあえず止めることができてうれしい。次期政権のもとでも多国籍企業や富裕層を優遇する制度を変えさせる運動を続けます」と話していました。
米国では8日、TPPからの撤退を公約するトランプ氏が大統領選で勝利。上下両院の指導部もTPP承認の年内採決を否定しており、承認は極めて困難な情勢です。