2016年11月12日(土)
核実験再開 歯止めなし
日印政府 原子力協定に署名
安倍晋三首相は11日夜、インドのモディ首相と首相官邸で会談し、両政府は日本からインドへの原発輸出(核物質、資機材、設備・技術)を可能にする原子力協定に署名しました。
日本が核不拡散条約(NPT)非加盟国と原子力協定を結ぶのは初めて。第2次安倍政権発足後、加速している原発輸出の動き(別項)は重大な段階に入りました。
1998年以降、核保有国となったインドへの原発輸出は核兵器開発を後押しするものであり、「唯一の被爆国」としての日本の道義的立場を放棄することになります。
協定は、日本の協力は「平和的非爆発目的に限って行う」と明記。加えて、協定とは別に交わした「見解及び了解に関する公文」で、インドが2008年に宣言した核実験の一時的停止(モラトリアム)に反して核実験を行った場合、協定の期間中であっても協力を停止できるとの日本側の考えを示しました。また、その場合のインドからの補償請求に異議を申し立てる権利を留保するとしています。
ただ、協定とは別文書であり、インド側は「(08年の声明を)再確認する旨述べた」とするにとどめています。核実験再開の歯止めになる保証はありません。