2016年11月5日(土)
きょうの潮流
とうに「アラフォー」を通り過ぎた筆者。最近は空気の乾燥もあって肌荒れに悩まされています。若い人には勝てないと悟り、化粧品を物色し始めました。当然、健康に配慮して選びます。ところが、国政の最大焦点であるTPPが発効されたら、有害物質が使われた化粧品が出回るかもしれないと聞いて驚きました▼TPPとは何か。簡単に言えば、加入国が自国の産業や国民生活を守るために維持してきた関税や非関税障壁をなくして、大企業が自由に商売できるようにするための制度です。では化粧品にどう関係するのか▼健康に配慮して、有害な色素を使わず、有機素材を使った化粧品が、「非関税障壁=商売の妨げになる」という可能性です。規制するためには、危険性を客観的に証明しないといけません。TPPはすべての人の健康や安全に、確実に影響を与えるのです▼すでに先取りと言える動きも出ています。庶民の足である軽自動車にかかる税金が昨年4月、年7200円から1万800円に値上がりしました。背景には消費税増税に加えて、米国がTPP交渉に絡んで、安い軽自動車税は「米国製自動車参入の非関税障壁だ」と攻撃したことがあります▼米国の多国籍企業が「もうけの邪魔だ」と感じたら、いつでも口出しできる。それがTPPの核心部分です▼与党と維新が衆院特別委員会でTPP承認案と関連法案を強行採決しました。しかし、数の力で押し切っても、TPPの危険な本質を覆い隠すことはできません。