2016年11月5日(土)
TPP 自公維が強行採決
共産・民進など野党抗議
ルール無視特別委開会 議長「平穏でない」
本会議開けず
共産、民進、自由、社民の4野党が抗議するなか、自民、公明と維新の3党は4日、衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会で、TPP承認案・関連法案を強行採決しました。しかし、この一方的な委員会開会や採決に対して野党が強く抗議するなか、衆院議院運営委員会理事会は同日夕、予定されていた本会議の開催を見送ることを決めました。
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政府・与党が当初狙っていた今週中のTPP承認案・関連法案の衆院通過は見送らざるを得ない局面に追い込まれました。同日の同特別委員会は塩谷立委員長が2日に職権で開催を決定。議運理事会で本会議開会をめぐる協議が続いている最中に、国会の規則を破って特別委員会が一方的に開会されました。
議運理事会では、佐藤勉委員長が「TPP特別委員会を開く状況に至っていない。与党に努力を求めたい」と言明していました。
この事態をうけ、共産、民進、自由、社民の野党4党は、大島理森議長、川端達夫副議長、佐藤議運委員長に、同特別委員会での強行採決を認めないよう申し入れました。
大島議長は「決して平穏な状況のもとで採決が行われたわけではないと認識している」と言明しました。
TPP特別委員会後に再開された議運理事会で佐藤委員長は「野党から話があったが、いい方向に進まず、責任を感じている。さらに混乱したことをおわびしたい」と陳謝。同日の本会議開催は見送ることが決まりました。
これに先立ち、共産、民進、自由、社民の野党4党は同日午前、国会内での国対委員長会談を開き、暴言を繰り返した山本有二農水相に対する辞任要求に対し、与党・政府が何ら回答していないことに抗議。こうした状況のもとで特別委員会を開くことはできないと確認し、野党が結束して対応することを確認していました。
未来守るため力合わせ
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自民、公明、維新の各党が環太平洋連携協定(TPP)の承認案・関連法案を衆院特別委員会で強行採決した4日、「TPPを批准させない!全国共同行動」は終日、国会前で抗議行動を行いました。「強行採決認めない」「TPPを批准させない」「山本(農水相)やめろ、安倍(首相)もやめろ」と怒りの声をあげました。
衆院第2議員会館前には、「国民の疑問に答えないまま/採決強行絶対許されない」の横断幕も。大阪府や秋田県などからの参加者や、赤ちゃんを連れた母親らの姿がありました。抗議の列は、参院議員会館前まで伸びました。
アジア太平洋資料センターの内田聖子事務局長は「採決の強行は、民主主義への冒とくだ。他のTPP参加国の市民とも連帯し、必ず阻止しよう」と呼びかけました。全国食健連の坂口正明事務局長は「強行採決は、政府・与党が追い詰められたことの表れだ。葬り去るまでたたかおう」と述べました。
生協パルシステム東京の野々山理恵子理事長は「世界中で反対する声があがっている。99%の一般市民と1%のお金もちとのせめぎあいだ。子どもの未来を守るため、力を合わせよう」と訴えました。
日本共産党、民進党の国会議員が駆けつけました。共産党の畠山和也衆院議員は暴挙を糾弾し、阻止にむけた共同を呼びかけました。
この日は、ツイッターによる告知に呼応して、市民たちが午後8時から国会正門前で抗議の声をあげました。