2016年11月3日(木)
教員研修を管理・統制
特例法改定案が可決 衆院委
共産党は反対
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公立の小中高の教員研修の仕組みを変える教育公務員特例法改定案が2日、衆院文部科学委員会で自民、民進、公明、維新の賛成多数で可決しました。日本共産党と社民党は反対しました。
法案は、公立小学校等の「教員の資質の向上」を図るためと称して、文部科学相が指針を定め、教育委員会が指針を参考にして策定した指標を踏まえて教員研修計画を定めるもの。教育委員会が指標づくりのために設置する「協議会」に教員養成大学の協力を明記しています。
反対討論で日本共産党の大平喜信議員は「自主的であるべき教員の研修を文科大臣の指針の下におき、管理・統制しようというもので到底認められない」と強調。「行政研修の削減、校内研修の充実、少人数学級推進など、多忙化の解消こそ教育行政の責務だ」と主張しました。
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採決に先立つ質疑で日本共産党の畑野君枝議員が、公務員の中でも「教員の研修は教育についての研究と人間的な修養であり、自由と自主性が尊重されなければならない」と述べ、そのことを認めた1977年の札幌高裁判決を示してただしました。松野博一文科相は「(教員研修の)自由と自主性は尊重されなければならない」と認めました。
文科省は、多忙化の下で、1こまの授業につき準備時間は「小学校で14分、中学校で20分」が現状だと答弁。畑野氏は「準備時間すらない中、行政研修をこれ以上増やすことはできない。むしろ減らすべきだ」と追及し、松野文科相は「教師の多忙感は問題だと思う」「授業準備は十分な時間が必要」との認識を示しました。
初任者研修で校外に出た教員の補充がされていない問題について、松野文科相は「子どもの学習に支障が出るのは本末転倒だ」と答弁しました。