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2016年11月1日(火)

外国人技能実習法案と入管法改定案

仁比議員の質問

参院本会議

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 日本共産党の仁比聡平議員が28日の参院本会議で行った外国人技能実習法案と入管法改定案についての質問(要旨)は、次の通りです。


 日本で働く外国人労働者は過去最高の91万人、技能実習生は18・5%を占めています。言葉の壁、構造的な低賃金や人権侵害、家族を含む生活の困難さなど問題は深く、憲法と労働法に基づく権利が保障され、人間らしい営みができるよう労働条件の抜本的改革こそ急務です。深刻な現状の外国人労働者受け入れ拡大は、安易かつ無責任きわまるものではありませんか。

 現在の技能実習制度は、無権利、低賃金、劣悪な労働環境のもとでの労働力受け入れ拡大制度として、強制労働と数々の人権侵害が国際的にも厳しく批判されてきました。政府は、不正行為の排除など監督強化を行ってきましたが、技能実習生をめぐる人権侵害はいっそう深刻になっています。

 なぜ技能実習で過労死に至るのか。ここには技能実習制度が抱える構造的問題が横たわっています。下請け零細の製造業、建設業、農業などの分野に「低賃金の労働力を提供する」などとつけ込み、悪質なブローカーが母国の送り出し機関と国内の受け入れ機関に結びついて横行し、高額の保証金などをテコに実習生を縛り付けています。政府は、労働者が不当な拘束、奴隷的労働から解放される上でも中核となる実習先選択の自由を認めず、労働基準監督署や入国管理局の指導・監督もモグラたたきです。

 全国で2番目に多い技能実習生が働き、アパレル縫製が主要産業の岐阜県では、時給300円など深刻な最低賃金違反、毎日4〜5時間の残業、休日出勤、残業代値引きなど重大な違反がまん延しています。価格競争の重い負担が末端業者と実習生に押しつけられている構造をそのままに「外国人技能実習機構」を発足しても、人権侵害は生み出され続けます。実態をつかんでこなかった政府の責任は重大であり、すみやかな調査を求めます。アパレル産業をどう振興するのですか。

 介護分野の外国人労働者受け入れ拡大は、利用者、家族に大きな影響を及ぼします。介護職には、要介護者の観察とコミュニケーションで内面的要求をつかみチームで共有して介護の目標や計画を充実・発展させていく力が求められます。介護現場に必要な日本語能力をどう捉え、どう判定するのですか。

 介護現場の人手不足を打開するためには介護労働者の処遇改善が必要です。介護現場の矛盾をそのままに外国人労働者を受け入れれば逆に現場を深刻にし、外国人労働者の人権を脅かすことになるのではありませんか。

 入管法改定案で、「不正の手段により」上陸許可を受けた場合の罰則の新設や、在留資格の取り消し事由を拡大するのは問題です。構成要件は広範かつ曖昧で、当局の乱用によって技能実習生の正当な権利実現や、庇護(ひご)されるべき難民認定申請者や支援活動を萎縮させるものです。実習生の失踪を生み出している根本問題の解消と、難民受け入れに極めて消極的な政府の難民政策の転換こそ求められているのではありませんか。


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