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2016年11月1日(火)

リニア財投は「経営支援」

国交省資料で判明 JR東海の負担軽減

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 リニア新幹線建設事業に投入する3兆円の長期固定低利の財政投融資はJR東海の利益となる「経営支援」であることが、国土交通省が国会に提出した資料で明らかになりました。

 リニア新幹線建設はJR東海の全額自己負担を前提に整備計画の決定や工事実施計画が認可されており、「経営支援」ではこの前提が崩れるため、これまで政府は「経営支援ではない」と答弁してきました。

 同資料は、「財投活用により全線開業の8年前倒しを行った場合のシミュレーション」によるJR東海の「長期債務残高の推移」。財投金利を0・6%、民間借入金利を3・0%とし、元金3兆円の償還を29〜30年間据え置き、その後10年間で均等償還すると仮定したもの。2010年に国交省の審議会に提出されたJR東海作成の「長期採算見通し」(全額を民間借入金利3%として試算)と比較すると、50年度には債務残高が約1兆円減額することになっています。

 また、JR東海はこれまで5兆円超の長期債務を抱えるのは困難だとしていたのに、同資料は大阪までの前倒し開業をする37年度をピークに長期債務を5兆5千億円まで可能としています。財投融資だと民間融資に比べて5000億円も債務増が可能となり、JR東海への「経営支援」となることは明白です。

 さらに国交省は10月26日の衆院国交委員会で、利子負担も財投投入によって約5000億円の軽減になると答弁しています。

 同省は当初、試算は前提によって変わるため提出は困難だとしていましたが、日本共産党の本村伸子衆院議員や民進党議員などの要求で提出されました。

図

リニア新幹線全線開通の8年前倒しを行った場合のJR東海の長期債務残高のシミュレーション(平成62年度=2050年まで。国交省提出の資料から)


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