2016年10月29日(土)
電通 「時短企業」認定取り消しへ
本紙報道受け厚労相
塩崎恭久厚生労働相は28日の記者会見で、女性新入社員が過労自殺した大手広告代理店・電通に対し、「残業時間短縮」など働きやすい職場環境づくりに取り組む「子育てサポート企業」と認定したことを取り消す考えを明らかにしました。「取り消しをふくめて厳正に対処したい」と述べました。
電通に認定を出していたことは本紙26日付が初めて明らかにし、政府の責任が問われると指摘していました。
同制度は、次世代育成支援法に基づき、「残業時間の削減」や「有給休暇の取得促進」に取り組み、「法令違反がない」ことを基準に厚労相が該当する企業を認定しています。電通はこれまで2007年、13年、15年と3度も認定されていました。
電通は、13年にも男性社員が過労死と認定され、14〜15年には違法な長時間労働があったとして労基署から是正勧告を受けるなど、働きやすい職場だと認定できる企業ではなかったのに、厚労省の認定を受けていました。
塩崎氏は、認定基準についても「より適切なものにしていきたい」と表明。電通に対しては労働局が実態調査を行っており、「結果を踏まえ厳正に対処する」と述べました。