2016年10月29日(土)
受給資格短縮法案が可決
消費税頼らぬ年金を
衆院厚労委で高橋氏修正案
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年金の受給資格を得るのに必要な加入期間を25年から10年に短縮する法案が28日、衆院厚生労働委員会で全会一致で可決されました。財源を消費税に求める規定を削除する日本共産党の修正案は賛成少数で否決されました。
年金受給資格は2012年改正で10年に短縮することを決めましたが、実施は消費税10%増税時とされたため、2度の増税延期に伴い先送りされてきました。
日本共産党の高橋千鶴子議員は、修正案の趣旨説明で「消費税10%増税時と切り離して、最大約64万人が年金を受給できるようにする改正は賛成できる」と表明。その上で、救済される基礎年金40万人の受給額平均は月2・1万円、10年にすると1万6千円にすぎず、なお約20万人の無年金者が残されるとして、無年金・低年金者の実態調査を行い、「暮らせる年金」を目指すべきだと主張しました。
さらに、逆進性の高い消費税10%は中止すべきであり、「社会保障拡充策を消費税財源と位置付けた『一体改革』を見直すべきだ」と強調しました。
高橋氏は質疑で、消費税増税分のうち1・3兆円は「後代への負担のつけ回しの軽減」で使途を定めていないとして、「それを社会保障に回したらどうか」と提起。また、財務省が求める“3年間で1・5兆円の社会保障予算自然増削減”を上回った場合、社会保障に回せるのかとただしました。杉久武財務政務官は「枠組みを変える必要はない」と答弁しました。
高橋氏は「結局『一体改革』で財源を消費税と決めてしまったために、充実のためには負担増や抑制をやらざるを得なくなっている」と批判しました。