2016年10月28日(金)
宇宙活動法案 外国軍事衛星打ち上げも
国内事業者 担当相、否定せず
島津議員が質問
衆院内閣委員会で26日に可決された宇宙活動法案をめぐって、国内の打ち上げ事業者が外国の軍事衛星ミッションを受注する可能性があることが分かりました。日本共産党の島津幸広議員の質問に、鶴保庸介・宇宙政策担当相が答弁しました。
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同法案は、ロケット打ち上げ事業について安全確保のための許認可や事故時の賠償規定などを定めたもの。
島津氏は、2008年に成立した宇宙基本法で「わが国の安全保障に資する」ことを日本の宇宙開発利用の柱に位置づけ、その後の宇宙基本計画でも「安全保障」が前面に出され、軍事利用が拡大してきたと述べました。
そのうえで、同法案が、打ち上げ・衛星管理の許認可の基準として「基本理念に則したもの」と規定していることをあげ、国内の事業者が国際的な打ち上げ市場に参入し、「わが国の安全保障に資する」なら外国の軍事ミッションを受注できるのか質問しました。
鶴保氏は「宇宙基本法の基本理念に則したものであることが、搭載される人工衛星の許可の基準だ」と答え、外国の軍事衛星打ち上げを許可する可能性を否定しませんでした。
島津氏は、「安全保障」などを理由に人工衛星の画像情報の提供を政府が制限できる衛星リモートセンシング法案についても質問しました。多額の国費が投入されながら大震災の画像さえ公開されない情報収集衛星(内閣情報調査室が運用する軍事スパイ衛星)の実態を告発したうえで、衛星リモセン法案はテロ防止に実効性がなく、制限を加えずに自由に競争した方が宇宙技術の民主的発展に有効だという専門家の見方を紹介しました。
島津氏は、1969年の国会決議以来、非軍事に限られ「自主・民主・公開」の原則で進められた日本の宇宙開発の原点に立ち戻るべきだと訴え、宇宙基本法から「安全保障」条項を削除することを求めました。