2016年10月24日(月)
台湾「原発ゼロ」閣議決定
2025年までに 再生可能エネ発展へ法案
【北京=小林拓也】台湾・民進党の蔡英文(さいえいぶん)政権が、2025年までに現在稼働中の3基の原子力発電所をすべて停止することを決めました。20日に閣議決定した電気事業法改正案に盛り込みました。改正案は近く立法会で審議入りする見込みです。
台湾では、11年の東京電力福島第1原発事故をきっかけに反原発運動が盛り上がり、建設中だった第4原発は14年4月下旬、建設が停止しました。
こうした運動の高まりを受け、蔡氏が主席を務める民進党は今年1月の台湾総統選挙で、25年までの脱原発社会実現を主張。5月の総統就任後も蔡氏は「原発ゼロは民進党の一貫した主張だ」と述べていました。
稼働中の3原発は25年までに40年の稼働期間満了となります。改正案は「原発設備は稼働年限で停止すると明確に定める」と明記。稼働期間延長を否定し、25年までの「原発ゼロ」実現を明確化しました。
閣議決定された改正案は、電力を自由化し、民間参入によって再生可能エネルギーの発展を促すことが柱。台湾政府は、太陽光と風力など再生可能エネルギーの割合を現在の4%から25年までに20%に増やすことを目指しています。