2016年10月23日(日)
上海で「慰安婦」歴史博物館開館
“若い世代に伝えたい”
上海師範大敷地に2人の少女像設置
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【上海=小林拓也】中国の上海市にある上海師範大学で22日、中国「慰安婦」歴史博物館が開館し、中国と韓国の「慰安婦」被害者も参加して開館式が行われました。中国で「慰安婦」をテーマとした記念館は四つめ。
約300平方メートルの館内に、同大学の中国「慰安婦」問題研究センターが収集した数万点の資料の一部や、「慰安婦」被害者らが使用した生活用品などが展示されています。センターの蘇智良主任は、中国には19人の生存者がいると明らかにし、「展示を通じて若い世代が『慰安婦』問題に関心を持ってほしい」と語りました。
また同日、同大学敷地内に「慰安婦」平和少女像が設置されました。2人の少女像は中国と韓国の被害者を示しているといいます。
博物館開館に合わせ、日中韓などの研究者が歴史問題シンポジウムを開催。韓国の「慰安婦」被害者、李容洙(イ・ヨンス)さん(88)は「長生きして、自分の勇気を示し、日本政府に賠償を求めていく」と表明。中国海南島で15歳の時に日本軍の性的暴行を受けた陳連村さん(89)は「日本政府の謝罪と賠償という満足できる答えがほしい」と訴えました。
2700件の資料を「日本軍『慰安婦』の声」として世界記憶遺産に登録をめざす市民団体「国際連帯委員会」事務局責任者の申寶G(シン・ヘス)さんは、申請状況を説明。「日本政府からの圧力があるが、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は圧力に影響されることはないと期待している」と述べました。