2016年10月21日(金)
主権者教育を豊かに
吉良氏 自民の「実態調査」は介入
参院文科委
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日本共産党の吉良よし子議員は20日の参院文教科学委員会で、豊かな主権者教育を推進するよう求めました。
吉良氏は、各地のさまざまな主権者教育の取り組みを紹介し、全国的な流れにしていくよう求めました。一方、「政治的中立性」が教育現場にさまざまな困難を生んでいると指摘。「主権者教育にたずさわる教員が、個人としての意見を持つ自由は保障されているか」と質問しました。松野博一文科相は「個人としての意見を持つことは当然」と認めました。
吉良氏は、教員が自分の意見を表明することを禁止していないドイツやイギリスの例を示し、「文科省の通知で『教員は個人的な主義主張を述べることは避け』と、一律に禁止するのはあまりに自主性・独創性を縛る」と指摘しました。
また、自民党が行った「学校教育における政治的中立性についての実態調査」を取り上げ、(1)「子供たちを戦場に送るな」という主張は憲法の平和主義や学習指導要領解説に照らして「政治的中立性」を逸脱していない(2)当事者の知らないところで一方的な情報を「密告」させるのは教育への不当な介入である(3)主権者教育の実践に水をさす―と批判。「“密告社会”の到来だ」「現場を萎縮させるだけ」などの国民の批判にどうこたえるのかただしました。
松野氏は「政党の政治活動の一環であり、言及は控えたい」としか答えられませんでした。吉良氏は「主権者として社会や政治に希望を持ってかかわろうとする若者を増やすためにも、“密告フォーム”のような調査は今後やるべきでない」と強調しました。