2016年10月20日(木)
パリ協定が審議入り 参院本会議
倉林氏「批准遅れ政府責任重大」
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2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の承認案が19日、参院本会議で審議入りし、日本共産党の倉林明子議員が質問に立ちました。条約や協定は衆院から審議を始めるのが国会運営の基本ですが、政府・与党が環太平洋連携協定(TPP)の衆院審議を優先したため、パリ協定は参院先議とされました。
パリ協定は、温室効果ガス最大排出国の中国、米国を皮切りにインド、EU(欧州連合)などが批准し、日本抜きで11月4日に発効することがすでに決まっています。倉林氏は「こうした世界の流れを理解せず、承認案の提出が大幅に遅れた政府の責任は極めて重大だ」と指摘。パリ協定の年内発効を想定せず、TPPを最優先に臨時国会にのぞんだ安倍内閣の姿勢を厳しく批判しました。
そのうえで、倉林氏は、2030年度の温室効果ガス削減を13年度比26%とする日本の目標は「低すぎる」と指摘。「直ちに見直し、大幅に削減目標を引き上げるべきだ」と主張しました。
また、石炭火力発電所の新増設は「『脱炭素化』というパリ協定の合意に逆行する」として中止を要求。原発と石炭火力をベースロード電源と位置付けるエネルギー基本計画を撤回し、再生可能エネルギーの飛躍的な導入拡大へ舵(かじ)を切るよう求めました。
岸田文雄外相は「(パリ協定が)当初の見通しよりも早期の発効となったことは事実だ」と答弁。世耕弘成経産相は「(原子力に対する)幅広い理解が得られるよう粘り強く取り組む」などと述べ、原発推進を続ける姿勢を示しました。