2016年10月19日(水)
消費税増税延期法案に対する
宮本徹議員の質問(要旨)
日本共産党の宮本徹議員が18日の衆院本会議で行った消費税増税延期法案についての質問(要旨)は、次の通りです。
国民の多くが増税中止を求めるなか、安倍政権は二度目の増税先送りに追い込まれました。安倍政権は、消費税を8%に引き上げる際、消費税増税の影響はワンショットだといいました。しかし、現実には実質賃金の低下、年金の目減りをもたらし、GDP(国内総生産)の個人消費は2年連続のマイナス。消費税増税は長期にわたって個人消費を落ち込ませる要因となっています。
消費税頼みの財源論のゆきづまりは明らかです。破綻した消費税増税路線にしがみつくのはやめ、消費税増税は2年半の延期実施ではなく、きっぱり断念し、消費税に頼らない道を決断すべきです。
私たちは、税金の使い方の転換とあわせ、不公平な3つの税逃れをただすことで財源をつくることを提案します。
第一に大企業の負担は中堅・中小企業並みの負担を求めるべきです。受取配当益金不算入制度など主に大企業が利用する税制により、大企業の実際の法人税負担率は、中堅・中小企業を大きく下回る不公平が生じています。大企業優遇税制は思い切って見直すべきです。
研究開発減税のうち、増加型と高水準型は今年度末で適用期限を迎えます。高水準型は減税総額の90%以上を上位10社がしめており、一部の企業への偏重は明らかです。増加型・高水準型は期限通りに廃止し、形をかえた恒久減税化はやめるべきです。
安倍政権は法人税率の引き下げをすすめてきました。しかし、実質賃金は大幅に低下、設備投資も伸び悩み、大企業の内部留保をさらにうずたかく積み上げるだけでした。法人税減税は中止すべきです。
第二に、所得税の負担率が所得1億円を超えると下がるという不公平をただし、富裕層に力に応じた税負担を求めるべきです。
富裕層の株式売却益や配当については欧米なみの30%へ引き上げるべきです。経済同友会も、税率引き上げを提言しました。大企業の経営者が自ら課税してほしいといっています。遠慮なく来年度から引き上げるべきです。
配偶者控除の対象拡大が検討されています。控除の見直しにあたっては、基礎控除や低所得労働者の給与所得控除の拡大など、所得再分配の観点で整合性のとれた見直しにすべきです。
第三に、タックスヘイブン(租税回避地)の税逃れをただすことです。
タックスヘイブンとされる地域への日本からの投資は公表分だけでも100兆円前後にのぼるにもかかわらず、タックスヘイブン対策税制の対象となった所得は0・4兆円にすぎません。トリガー税率の撤廃、「日本からの出資が50%超」などの適用要件の見直しなど、抜本的に取り組むべきです。税逃れのツールとなっている外国子会社配当益金不算入制度もみなおすべきです。
国内で富を築いた富裕層が相続税・贈与税のない国へ移住するケースが増えています。相続人・被相続人ともに5年以上、海外に住めば国外財産は相続税の対象になりません。5年という期間を見直すべきという提案に、麻生大臣は検討を約束されました。来年度から実現するべきです。
こうした税逃れもたださず、消費税の10%増税で穴埋めするなど、断じて許されません。