2016年10月19日(水)
共同提案 約40カ国に
核兵器禁止条約決議案 日本は加わらず
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【ニューヨーク=島田峰隆】オーストリア政府関係者は17日、本紙に対し、同国が主導して国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)に提出した決議案の共同提案国について、「39カ国ぐらいにまで増えた。今後も増えると見込んでいる」と話しました。同関係者によると、日本は共同提案国に入っていません。
同決議案は、核兵器禁止条約について交渉する国際会議を、来年に招集するという内容です。
テーマ別討論を続けてきた第1委員会は17日、核兵器に関する討議を終えました。国連加盟国(193カ国)の約3分の2を占める非同盟諸国をはじめ圧倒的多数の国が同決議案に支持を表明しているのに対し、核保有5カ国(米英仏中ロ)と核の傘にある国が抵抗している構図が鮮明になっています。
討論のなかで、共同提案国の一つアイルランドは17日、「核兵器使用による破滅的な人道的結果を考えると、核兵器で安全になる安全保障など想像できない」と強調しました。
太平洋の島国パラオは、核実験の影響で今も住民にがんや慢性的な疾病が続き、居住、農業、漁業ができなくなっていると指摘。「人間や環境に害を与える核兵器をどうして合法だと主張できるのか」と問いかけました。
日本の佐野利男軍縮大使は「核保有国と非保有国の建設的な協力を通じた実際的で具体的な措置が唯一の効果的な方法だ」として核兵器禁止条約の交渉開始を求めませんでした。