2016年10月17日(月)
ハンセン病国賠訴訟勝訴15周年
“差別・偏見なくしたい” 群馬で集い
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国の隔離政策を断罪したハンセン病国賠訴訟の勝訴判決から15年を記念して追悼と継承の集いが16日、群馬県草津町の栗生(くりゅう)楽泉園で開かれました。同園入所者自治会と群馬・ハンセン病訴訟を支援しともに生きる会が主催しました。
約170人の参加者は、2014年に亡くなった谺(こだま)雄二さんをはじめ、この間に亡くなった原告をしのび、たたかいを引き継ぐ思いを新たにしました。
勝訴判決の意義について国賠訴訟弁護団の徳田靖之弁護士が講演しました。国の過ちが明確にされたことで、その後のハンセン病政策が大きく転換したと強調し、「差別・偏見を一掃するために、全国で取り組まれた『無らい県運動』など社会の責任を明らかにしていきたい」と述べ、家族訴訟への支援を訴えました。
群馬大学の西村淑子教授は、学生によるガイドブックづくりなどを報告しました。
入所者や家族らがリレートーク。重監房資料館語り部の岸従一さんは「偏見や差別をなくすためにこれからも語り続ける」と表明しました。退所者の家族の大島一弘さんは「おじは結局、実家の敷居をまたぐことができなかった」と無念の思いを語りました。
全国ハンセン病療養所入所者協議会の森和男会長、全国原告団協議会の竪山勲事務局長が来賓あいさつ。日本共産党の酒井宏明県議が参加し、党国会議員団からのメッセージが紹介されました。
参加した高崎健康福祉大3年の男子学生は「裁判に参加するまでは自分も加害者だったという弁護士の話が印象に残った。知らないことで加害の側に身を置きかねないと思った」と話しました。