2016年10月15日(土)
原発避難計画 欠陥は命の危険に直結
倉林氏がただす 参院予算委
日本共産党の倉林明子議員は13日の参院予算委員会で、「熊本地震を経験し、原発に対する不安が広がっている」と述べ、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)などの避難計画をただしました。
同計画が5〜30キロ圏の住民は約1週間の屋内退避としていることについて、倉林氏は熊本地震で甚大な住宅被害が起こったことを指摘。余震が続き、被害を免れても住宅に帰れずに屋外退避せざるを得ない状況のなかで、安全に避難できるのかただしました。
安倍晋三首相が「避難計画に万全はない。改善について検討し続けていくことが大切」などと述べたのに対し、倉林氏は「熊本地震と同規模の地震が起これば屋内退避そのものが命の危険に直結する危険な計画だ」と批判しました。
関電高浜原発(福井県高浜町)事故を想定した避難訓練(8月27日)は、安倍晋三首相が確認・了承した避難計画に基づいて行われ、対象者18万人のうち実際に避難した住民は約1200人でした。
倉林氏は、高浜地域から京都・兵庫方面に向かう避難路は国道27号と舞鶴若狭自動車道の2本に限られるが、季節的に渋滞が発生することを指摘。「住民からこの道路が避難路に使えるのかという声が出るのは当然だ」と強調しました。
倉林氏は、原発から4キロ付近に位置する老人ホームでは、避難開始の連絡があっただけだったため経営者が自主訓練を行ったところ、車に乗るだけで約30分かかったことを紹介。福井県の試算では避難所まで車で最大7時間半もかかることも指摘し、責任を追及しました。
内閣府の山本哲也審議官は「避難に時間がかかるのは指摘の通り」と認める一方、「早期の避難を指示する」などと矛盾した答弁しかできず、計画に重大な欠陥があることが明らかになりました。