「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年10月13日(木)

検証 政治とカネ

業界寄り答弁の背景は…

首相・厚労相に巨額献金

製薬企業 政治連盟でカネ集め

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 「医薬品の製造原価そのものが企業秘密」(安倍晋三首相)、「医薬品の製造原価や研究開発費など企業にとって機密性の高い情報を出していただいている」(塩崎恭久厚生労働相)―。異常な高薬価の値下げと、算定プロセスの見直しを求める日本共産党の小池晃書記局長の質問(6日、参院予算委員会)に対し、製薬業界寄りの答弁が繰り返されました。その背景には、何があるのか―。


“よき理解者を”

写真

(写真)製薬産業政治連盟が入居するビル=東京・日本橋

 製薬会社の業界団体、日本製薬団体連合会(日薬連)が入居する東京・日本橋のビルに、製薬産業政治連盟という政治団体が同居しています。設立趣旨書に「政治の場によき理解者を求め、政治活動を支援」すると明記して2000年5月に設立されました。

 同政治連盟の政治資金収支報告書によると、毎年、5〜6回のセミナー(政治資金パーティー)を開催、5000万円前後を集めています。このうち、ほぼ3分の1は、日薬連会長会社の大日本住友製薬、副会長会社のアステラス製薬、エーザイ、田辺三菱製薬など大手10〜11社が毎回30万円ずつ、パーティー券を購入しています。

 こうして集めたカネを原資にして、自民党議員を中心に政治家のパーティー券購入という形で資金提供しているのです。形を変えた企業献金です。

 12〜14年の3年分を見てみると、計16回のセミナーで計1億5164万円を集め、9割近い1億3288万円(87・6%)を政治家のパーティー券購入にあてています。(図参照)

 このうち、安倍内閣の閣僚を調べてみると、自民党政調会長代理を務めたあと、14年9月から現職の塩崎恭久厚生労働相は、資金管理団体が開く1回の「セミナー」が50万円など、計590万円の資金提供を受けています。

 衆院厚生労働委員会理事、自民党社会部会長を務めるなど“社労族”だった安倍晋三首相も、後援会の「政経セミナー」を1回で40万円、50万円と高額購入してもらい、計390万円。続いて自民党厚労部会長や参院厚労委員長を務めた金田勝年法相が320万円、薬剤師で衆院厚労委員長も務めた松本純国家公安委員長が274万円など。

癒着構造解明を

 安倍首相と12人の閣僚であわせて2214万円分のパーティー券を購入してもらっています。製薬産業政治連盟が購入したパーティー券の、実に6分の1、16・7%に相当します。

 小池書記局長が指摘したように、国民に高薬価などの痛みを押し付ける前に、製薬業界と自民党の癒着の構造にメスを入れることが求められています。(藤沢忠明)

図:製薬業界のカネの流れ

見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって