2016年10月13日(木)
新潟知事選
県民共同VS官邸・原子力ムラ
違いくっきり
再稼働にノー 米山候補
自ら判断せず 相手候補
新潟県知事選(16日投開票)は、東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)6、7号機の再稼働を最大争点に大激戦、大接戦となっています。“首相官邸・財界・原子力ムラ”と、県民の共同との対決です。(唐沢俊治)
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「再稼働反対」の県民の願いに寄り添い、猛追する米山隆一候補(49)=共産、社民、生活、新社会、緑の5党、市民団体が擁立=は、原発事故の検証・総括なしに再稼働の議論はできないと主張し、「柏崎刈羽原発の再稼働は認めません」と明言しています。
米山候補は1999年、茨城県東海村で起きたJCO臨界事故の際、放射線医学総合研究所の当直医。大量の放射線を浴びた労働者が亡くなり「そんな人をもう二度とつくってはいけない」と決意しています。
6割が反対
一方、森民夫候補(67)=自民、公明推薦=は告示前、「県民の安全・安心の確保を最優先」と抽象的にのべるだけでした。世論調査で原発再稼働反対が6割を超え、選挙戦後半、大慌てで「県の技術委員会でしっかり検証し、問題があれば国に対してノーと言う」と訴え始めました。しかし森候補は、原発事故の原因検証や、避難計画の実効性について考えを示していません。自ら見解を示さず、県技術委員会に丸投げするのは無責任だと批判の声が出ています。
新潟市内の女性(62)の自宅に10日、「森民夫の選挙事務所」から女性の声で電話があり、「原発を再稼働しないことに決めました」と言います。「そんな話、聞いたことない」と問うと、電話の女性は「森民夫は、お勉強して考えを変えました」と言いだす始末でした。
推進の自公
同候補を推す自公政権は、全国の原発再稼働を推進してきました。2014年7月12日の自民党の新潟県連大会では、「柏崎刈羽原発の再稼働のための安全審査の結果を見極め、原子力規制委員会が安全を確認したものから順次再稼働するよう求めていく」と決議しました。
自民党の二階俊博幹事長は今月7日、経団連幹部との会合で、知事選に言及し「何とか(森候補の)勝利を考えていきたい。電力業界などオールニッポンで対抗していかなければならない」と訴え。電力業界などと一体に再稼働推進の構えです。
「森さんは、『技術委員会が検証し問題があればノーと言う』と主張しますが、自らは再稼働にノーだとは言っていない」と指摘するのは、「なくそテ原発2016柏崎大集会」(9月3日)の実行委員長で、「つなげよう脱原発の輪 上越の会」代表の男性(40)です。
「再稼働を推進する議員が多数を占める自民党に支えられて、本当に国に対し『ノー』と言えるでしょうか。『再稼働は認められない』とはっきり言う米山さんに期待したい」と話しました。
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