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2016年10月8日(土)

米軍ハリアー 飛行再開

沖縄 事故原因不明のまま

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写真

(写真)米軍嘉手納基地から飛び立つハリアー戦闘攻撃機=7日、沖縄県嘉手納町

 在沖米軍は、AV8Bハリアー戦闘攻撃機の墜落事故後、同型機の飛行を停止していましたが、7日、事故原因を究明しないまま同型機の訓練を再開しました。沖縄県は米軍に対し、事故原因が究明されるまでハリアーの飛行中止をするよう強く求め、米軍の飛行再開決定直後には、安慶田(あげだ)光男副知事がキャンプ瑞慶覧(ずけらん)を訪れ、海兵隊太平洋基地司令官に直接抗議しました。

 ハリアーは午前8時40分ごろ、米軍嘉手納基地(嘉手納町、沖縄市、北谷〈ちゃたん〉町)から飛行を開始。5分間で3機が次々と飛び立ちました。

 約1時間後に基地に戻ったあと、旋回飛行や着陸体勢から急上昇するタッチ・アンド・ゴー訓練を繰り返しました。

 抗議や県民の不安の声を無視する形での飛行強行に、怒りが広がっています。嘉手納基地の第1ゲート前には午前7時半から県民ら約130人が集まり午後6時からは約100人が、基地に向かって日本語と英語で「ハリアーの飛行をやめろ」と怒りの声をあげました。

 沖縄市の安仁屋真孝さん(65)は「これまでも米軍機は事故を起こしても原因究明しないまま飛行を続けている。またいつ事故が起きるか分からない。沖縄県民はどうでもいいのか。本当に許せない」と憤り、「全基地を撤去するしかない。県民もその方向に動いている」と話しました。


解説

重大事故 今年すでに3件

米海兵隊は垂直離着陸機AV8Bハリアーについて「安全性が確認された」として沖縄県内での飛行を再開させ、稲田朋美防衛相も記者会見で「一定の妥当性を確認した」と容認しました。しかし、事故原因は特定されておらず、同様の事故が起こらない保証はありません。

 米海軍安全センターによれば、今回の墜落事故は最も深刻な「クラスA」(損害額200万ドル以上または死者1人以上など)に分類され、約6300万ドルの損害が発生しました。これ以外にも、大西洋上などで今年3月8日、5月6日に「クラスA」事故が立て続けに発生、昨年も同クラスの事故を1件起こすなど、重大事故が相次いでいるのが実態です。

 背景には、実戦配備から30年以上経過したことによる機体の老朽化や、急降下・低空飛行といった訓練による機体への負荷などがあるとみられます。

 ハリアーの飛行再開は沖縄県だけの問題ではありません。同機は年間の大半は沖縄の米空軍嘉手納基地を拠点にしていますが、米海兵隊岩国基地(山口県)にも所属しています。岩国基地内や周辺での訓練も繰り返しており、米海軍厚木基地(神奈川県)への飛来も目撃されています。

 さらに、防衛省は今年7月〜10月にかけて、ハリアーが陸上自衛隊北富士演習場上空で演習を行うとの通報を5件、山梨県に出しています。全国民の安全にかかわる重大問題です。(竹下岳)


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