2016年10月7日(金)
きょうの潮流
何度訪れても、その“広さ”に息をのみます。世界有数の人口過密地帯である首都・東京のど真ん中にある米軍横田基地です▼同基地内にある在日米軍司令部の新司令官就任式を取材するため6日、ゲート内に入りました。周囲十数キロにおよぶ基地内の通路は道幅も広く、快適です。3350メートルにおよぶ滑走路周辺は、まるで草原のよう。戦後71年の今なお、広大なこの土地が占領されている事実にがくぜんとします▼一歩外に出れば、基地沿いを走る国道は慢性的な渋滞です。フェンス際までびっしりと民家が立ち並び、人々は昼夜分かたぬ爆音に苦しめられています。「まるで沖縄の普天間基地みたい」。少なくない人は横田基地を見て、そのような感想を抱くといいます▼単に似ているだけではありません。沖縄の基地と横田は直結しています。普天間基地のMV22オスプレイや嘉手納基地所属の特殊作戦機は頻繁に横田に飛来。「横田が沖縄化している」という声も聞きます。▼逆に、来年にも横田に配備されるCV22オスプレイは、沖縄で訓練を行う計画になっています。安倍政権が「年内完成」を目指す高江のヘリパッドを使用する可能性も高い▼問題なのは、「基地負担軽減」の名の下で沖縄の辺野古、高江や伊江島の基地建設が強権的に進められ、同時に在沖縄米軍の本土への訓練移転が進められていることです。高江は全国の問題、そして横田も、それ以外の基地も一体で強化が進むいま、全国の問題として声をあげなければ、と思います。