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2016年10月6日(木)

主張

財界の税制要求

消費税増税、法人減税の身勝手

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 日本経済団体連合会(経団連)、経済同友会(同友会)など財界団体の来年度(2017年度)以降の税制「改革」要望が出そろいました。政府・与党の来年度予算編成・税制「改正」の作業が本格化するのをにらんで、出されたものです。国民の暮らしが悪化し、消費が低迷を続けているのを尻目に、消費税の増税、法人税など大企業向けの減税など、身勝手な要求が並んでいます。アメリカ言いなりとともに財界言いなりこそ政治を悪くしている元凶であり、財界の圧力を許さず、国民本位の政治を確立し、税金の集め方も大改革していくことが重要です。

消費低迷にもかかわらず

 安倍晋三政権は財界が求め続けてきた消費税の増税を一昨年(14年)4月に強行し、国民の消費を急速に冷やし、経済を悪化させました。消費の低迷がいまだに続いているため、安倍政権は昨年(15年)10月に予定していた消費税の再増税を2回にわたって延期し、開会中の国会に2回目の延期法案を提出しています。にもかかわらず財界団体は消費税の増税に固執し続けています。

 毎年決まって税制「改正」要求を提出しているのは財界団体で最大の経団連ですが、今年9月に発表した「平成29年度(来年度)税制改正に関する提言」では、「引き続き…消費税率の引上げ(ママ)は不可欠」「2019年10月に予定通り着実に消費税率10%へと引上げるべき」とだめ押しを忘れません。同友会は折に触れて税制「改革」を要望していますが、10月になって発表した「未来への希望を拓(ひら)く税制改革」という要望では冒頭で消費税を取り上げ、「10%への引き上げを着実に実施」することとともに、「10%超へのさらなる引き上げ」を求めています。

 財界には消費税増税が国民の暮らしも経済も破壊してきたことへの反省がありません。文字通り弱いところ、取りやすいところから税金を取ろうという姿勢です。

 財界の身勝手ぶりを浮き彫りにするのが法人税など大企業減税です。安倍政権は「企業が最も活動しやすい国にする」と称して、国税の法人税と地方税の法人住民税などを合わせた法人実効税率を「20%台」にまで引き下げることを打ち出し、今年度に29・97%を実現しました。再来年度にはさらに引き下げます。財界はそれだけで満足しません。

 経団連の要求は、研究開発減税や設備投資減税など、政策減税の拡充を求めます。同友会は「法人実効税率を早期に25%へ」と、よりあからさまです。日本の法人実効税率はすでにアメリカやフランスを下回っています。これをさらに引き下げれば税収が減るだけでなく、国際的にも悪影響を及ぼしている法人税の引き下げ競争に拍車をかけることになります。

税制は応能負担の原則で

 安倍政権は来年度税制「改正」で、所得税の配偶者控除を見直すなど庶民増税を検討していますが、財界団体の要求は「各種控除の適正化に関し、十分に検討」(経団連)などこれにも賛成です。

 税制は本来、負担能力のあるところが負担する応能負担が原則です。経団連や同友会が要求するように取りやすいところから取って大企業の負担を減らすのではなく、大企業や大資産家に応分の負担を求める、集め方の改革が急務です。


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