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2016年10月5日(水)

輸入米価格偽装問題

大本にミニマムアクセス米

衆院予算委で畠山議員

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 日本共産党の畠山和也議員は4日の衆院予算委員会で、「売買同時入札」(SBS)方式による輸入米の価格偽装問題の大本に、日本政府による大量のコメ輸入政策があることを追及。環太平洋連携協定(TPP)批准は、その矛盾をいっそうひどくすると政府に迫りました。


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(写真)質問する畠山和也議員(左)=4日、衆院予算委

 日本政府は、国内農家にはコメをつくるなと言いながら、海外から毎年77万トンのミニマムアクセス(最低輸入機会)米を輸入しています。このうち10万トンが主食用としてSBS方式で輸入され、残り67万トンの多くが加工用や飼料用として一般輸入されています。

 輸入業者と卸売業者が同時に入札に参加することで流通先が確保されているSBS方式と違い、一般輸入は売り先が決まらないと政府の持ち出しになります。畠山氏の質問に対し農林水産省は、ミニマムアクセス米輸入の損失額が1995年度から2014年度の間に累計3135億円に上ることを明らかにしました。

 畠山氏は、ミニマムアクセス米の巨額の損失が出るなか「好都合なのが、必ず売り先のあるSBS方式だった」と指摘。「業者からすれば、輸入米は安くしないと流通しない。そこで生まれた“知恵”が(輸入業者から卸売業者にリベートを渡す)『調整金』だったのではないか」と強調しました。

米国のいいなり

 ミニマムアクセス米に加え、TPPでは新たに7・84万トンの輸入枠が設定されています。協定発効から7年後には米豪との再協議も決まっています。

 畠山氏は「コメの輸入枠を増やせと求めてきた米国は、さらなる開放を求めてくるだろう」と指摘しました。

 畠山氏は、米国の日本へのコメ輸出が世界第2位になっていることなど、米国の“良いお客さま”になっている実態を告発しました。米国のUSAライス連合会は、カリフォルニア産のあきたこまちやコシヒカリについて「100%日本向けに栽培された特別米です」と宣伝しています。

 TPPでは、協定本文とは別に、米国との間で交わしたサイドレターが存在します。

 畠山氏 サイドレターには、SBS方式の運用を変えることも書かれている。その柱はなにか。

 山本有二農水相 円滑な入札手続きを行う観点から、技術的な変更を行うこととしている。

 畠山氏 具体的な中身を読むと、入札回数を増やすことや再入札の実施、(実質的な関税である)マークアップの引き下げなどが書かれている。つまり、目いっぱい日本は輸入してくれという米国の要求に応えた格好になっている。

 米国言いなりにコメの市場開放を進めることが既定路線になっていることを明らかにした畠山氏。さらに、SBS方式にかかわる新たな疑惑を追及しました。

TPP批准反対

 米国の国際貿易委員会(ITC)が今年5月に米国議会に提出した報告書は、ミニマムアクセス米に新たに設けられるSBS枠6万トンについて「文書化されていない約束」があると記述しています。その中身は、6万トンの8割に当たる4・8万トンを米国産とすることを「保証」し、マークアップも1キロあたり22円削減すると約束しているというもの。さらなる市場開放を約束しているのです。

 畠山氏 日本が文書化されていない約束をしているというのは事実か。

 農水相 事実ではない。5月19日付でUSTR(米国通商代表部)に遺憾の念を伝えた。

 畠山氏 それで撤回されたかといえば撤回されていない。撤回されるまで抗議すべきだ。

 安倍晋三首相 交渉しているのはUSTRだ。ITCには求めない。

 米国に及び腰の姿勢を示す安倍首相に対し、畠山氏は「貿易ルールは対等・平等・互恵の関係であるべきだ。今国会でのTPP批准は認められない」と厳しく批判しました。


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