2016年10月5日(水)
リニア公金投入やめよ
本村議員 事業費の膨張は必至
衆院予算委
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リニア中央新幹線に政府が財政投融資で3兆円もの公的資金を投入しようとしている問題で、日本共産党の本村伸子議員は4日の衆院予算委員会で、安倍首相に対し「自然を破壊し、生活を破壊し、実験線では健康被害も出ている。住民の声を聞かない、採算が取れないリニアはやめるべきだ」と強く求めました。
政府は、JR東海に今年度1・5兆円、来年度1・5兆円を財政投融資から貸し付け、30年後から10年間、3000億円ずつ返済を受けるとしています。
本村氏は「夢の超特急」とリニアを持ち上げる安倍首相に対し「負の影響を認めるか」と質問。安倍首相は「自然環境、生活環境に十分な配慮をしている」と答え、影響があることを事実上認めました。
リニア事業は、2013年にJR東海の山田佳臣社長(当時)が「絶対にペイしない(引き合わない)」と述べたほど、赤字必至の事業です。本村氏は「財政投融資は赤字事業に貸し付けてもいいのか」として、財政投融資計画の編成で必要となる財政制度審議会で、償還確実性の審議などを行ったのかとただしました。
麻生太郎財務相は、日程の余裕がなく「持ち回りで(委員)全員に説明した」と十分な審査をしなかったことを明かしました。当初計画より事業費が膨れあがったこれまでの事業を示しながら、リニアの建設費が膨れあがる問題をただしたのに対し、麻生財務相は「時間がのびるというのは十分にありえます。私が生きていれば証明できるが、生きていられる保証がない」などと発言。事業費が膨れあがることを事実上認めた答弁に本村氏は「無責任です」と厳しく批判しました。
リニア計画の工事認可はJR東海の全額自己負担が前提でした。本村氏は「公的資金を入れる話で前提が変わってしまった。工事実施計画の認可を撤回すべきだ」と求めました。また、JR東海の関係者の参考人招致を要求しました。