2016年10月4日(火)
高江ヘリパッド 安倍政権の「負担軽減」は基地の一大強化だ
衆院予算委 赤嶺議員の質問
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日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は、安倍政権が「沖縄の負担軽減」とする沖縄県東村高江の米軍オスプレイパッド(着陸帯)建設が住民と環境に重大な負担を強い、北部の基地機能の強化につながる実態を告発。建設工事の即時中止と北部訓練場の無条件返還を強く求めました。
面積「0・96ヘクタール」どころか160ヘクタール以上の大増強に
政府は「0・96ヘクタール」の着陸帯建設により北部訓練場の4000ヘクタールが返還されると強調しています。これに対し、赤嶺氏は、実際には「着陸帯以外にも大量の樹木を伐採して、自然環境に影響を及ぼす」として、政府が事業にともなう面積を小さくみせようとする姿勢を批判。米軍機が離着陸する際に障害にならないための幅15メートルの「無障害物帯」を合わせて約3ヘクタール、工事用道路や新たに提供された区域と合わせて約160ヘクタール以上が整備されることを明らかにしました。
「軽減に最大限努力」 実態は騒音被害激増
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赤嶺氏は、2012年に普天間基地にオスプレイが配備されて以降、東村高江の住民への騒音被害が年々増加している実態を示しました。
沖縄防衛局による騒音測定調査では、N4地区の2カ所の着陸帯が先行提供された15年度は昼間の騒音発生回数は2988回、夜間は552回に及び、12年度の回数(昼間465回、夜間102回)などと比較し急増(グラフ)。琉球大学の渡嘉敷健准教授が東村内の小中学生に実施したアンケート(4月)では、77%の児童・生徒がヘリの騒音が「気になる」と回答、「授業に集中できない」「うるさくて寝られない、家の上は飛ばないでほしい」と記述し、周辺住民からも「寝ていた赤ちゃんが飛び起きる」「飛んだ後は、頭痛、吐き気がする」などと悲痛な声が出ています。
赤嶺 二つの着陸帯が完成しただけで、深刻な騒音被害が発生している。残り四つの着陸帯をつくれば、被害がいっそう拡大することは明らかだ。
首相 4000ヘクタールの返還は今まで陸上においては最大の面積。六つのヘリパッドは米側との約束であり、(返還を)実行するためには(建設を)やらざるを得ない。騒音等が軽減するよう最大限努力をしながら、米軍とも緊密に連携していく。
赤嶺 問題は、4000ヘクタールが返ってくるから、騒音の被害が拡大する地域があっても仕方ないという政府の考えだ。こんな日米外交のあり方はおかしい。
工事計画相次ぐ変更 自然環境に重大な影響
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さらに赤嶺氏は、政府がヘリパッド建設にかかわる環境アセスの評価を早期に完成させるために都合よく変更し、自然環境に重大な影響を及ぼしていることを批判しました。
赤嶺 当初、工事の進め方について、動物への影響を少なくするため「1地区ずつ行う」としていたのに、7月の修正版では「3地区同時に行う」と変更した。「大きな影響はない」と述べたが、環境の専門家から疑問の声が上がっている。
深山延暁防衛省地方協力局長 一日も早く可及的速やかな工事方法をとりたいということで提出した。
赤嶺 9月に出した修正版では、資材運搬のために使うとしていた工事用モノレールを中止し、代わりに3700本以上の樹木を伐採して、工事用道路を整備する計画に変更した。工事に合わせて都合よく(アセス)評価を変えるのは許されない。
防衛省地方協力局長 計画していた道路の一部での工事用車両の通行に反対の方もいる。通行が困難な状況がさらに悪化していることを踏まえ、工事用道路を整備することにした。できる限り環境に対する影響がないように評価を考えた。
赤嶺 モノレールであれば木は伐採しなくて済んだ。自然に配慮しているという言い分は絶対に通らない。
赤嶺氏は、返還されるのは使用不可能な土地だと米海兵隊が認めていることをあげ、「移設条件を付けているから、20年来、事態が進まない。移設条件をつけないで無条件で返還すべきだ」とただしました。