2016年10月2日(日)
ACSA(日米物品役務相互提供協定)海外で適用拡大
イラク派兵後に変質 自衛隊と米軍 地球規模で協力
20年間で8276件
自衛隊と米軍が燃料や物資、サービスなどを融通しあう日米物品役務相互提供協定(ACSA=アクサ)が締結された1996年度から、直近の2015年度の20年間におよぶ同協定の運用実績の全容が初めて判明しました。
防衛省の資料をもとに本紙が集計したところ、自衛隊から米軍への提供分は5080件、米軍からの受領分は3196件で、総計8276件に達することが分かりました。
日米両政府は9月26日、安保法制=戦争法実行の不可欠の一部として、適用範囲を地球規模に広げる同協定の全面的改悪案に署名。日米軍事一体化のさらなる拡大・深化を狙っています。
ACSAの締結当初は、共同訓練時に自衛隊から物資や宿泊施設を提供するといった日本国内での運用が大半を占めていました。しかし、2003年からのイラク派兵開始、続く04年の2回目のACSA改定による適用範囲の拡大を経て、03年度の208件から04年度・626件、05年度・782件に急増。イラク派兵を契機に海外での適用事例が増え、大きく変質・実戦化していきました。
2009年度にはソマリア沖・アデン湾での海賊対処活動が始まり、近年も400件前後を維持しています。
ただし、ACSAの枠組みでは、受領後に同一・同等の物品や現金での返済が前提となっています。アフガニスタン戦争時のインド洋での洋上給油活動や、イラク戦争時の空輸支援はそれぞれ特措法に基づいておりACSAの適用外です。このため、米軍からの返済は一切行われず、国民の税金を垂れ流しした結果となりました。
|