2016年9月29日(木)
パリ協定 批准早く
温暖化対策 「問われる日本」
NGOが国会内集会
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与野党国会議員 出席して発言
年内発効が確実視されている地球温暖化対策の新しい枠組み「パリ協定」について日本の早期批准を求める集会が28日、国会内で開かれました。環境NGOのネットワーク、CAN―Japanが主催し、会場いっぱいの約130人が参加しました。
世界の動向をWWFジャパンの山岸尚之さんが報告しました。現在、「パリ協定」は米中を含む61カ国(総排出量に占める割合47・79%)が批准し、インドも批准を表明し、欧州連合も動きを見せています。山岸さんは「世界では、気候変動は『最重要リスク』として政治やビジネス、宗教指導者も動いている。発効要件(55カ国と総排出量55%以上)が満たされるのは明らかで日本の態度が問われている」と述べました。
気候ネットワークの平田仁子さんは「日本は国際社会での存在感を失いかねない」と危機感を訴えました。「パリ協定」を機に国内対策を見直し、▽省エネの掘り起こし▽脱原発・石炭▽再生エネ促進、を柱にした仕組みづくり―を求めました。
比嘉奈津美環境大臣政務官、外務省の相星孝一審議官があいさつ。与野党の国会議員がリレートークし、日本共産党の倉林明子参院議員は「パリの会議に参加して世界の脱炭素のうねりを実感した。一刻も早く批准できるよう力を尽くす」と話しました。
国立環境研究所の江守正多さんは「気候変動は国際的な人権問題としてとらえられてきている」とし「脱炭素社会」をどう築くかについて問題提起しました。