2016年9月23日(金)
国連 温暖化対策会合
パリ協定 批准55カ国超
発効要件の一つ満たす
【ニューヨーク=島田峰隆】2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際条約「パリ協定」の早期発効を目指すハイレベル会合が21日、国連本部で開かれました。会合に合わせてブラジルやメキシコなど31カ国が新たに批准書を国連に提出。批准国数は発効要件の55カ国を超えました。
パリ協定の発効には、批准国の温室効果ガス排出総量が全体の55%以上になることと、55カ国以上の締約国が批准することが必要です。21日の時点で批准国は60カ国に達しました。これらの国は排出総量の約48%を占めます。
国連によると、さらに14カ国が近く手続きする予定です。これらの国は排出総量の約13%を占めます。
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は発効要件の一つが満たされたことについて「年内の発効を確信している」と発言。協定の早期発効は「国際協力の新時代を記すものになるだろう」と述べ、「すべての国の指導者に対し、年内の国内手続きを急ぐよう呼び掛ける」と語りました。
9月初めには、世界全体の排出量の4割を占める米中両国がそろって批准を発表しました。世界第5位の排出国の日本はまだ批准していません。安倍晋三首相は20日、潘氏との会談で早期批准を求められましたが、「パリ協定の迅速な締結に全力を尽くす」と応じるにとどめました。