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2016年9月21日(水)

国際問題――北朝鮮問題、アジア政党国際会議について

6中総 志位委員長が報告

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 20日に開かれた日本共産党の第6回中央委員会総会の幹部会報告で志位和夫委員長は、北朝鮮の核・ミサイル開発の問題と、9月1〜3日にマレーシアのクアラルンプールで開かれたアジア政党国際会議(ICAPP)第9回総会の内容を中心に、国際問題のいくつかの焦点について報告しました。

北朝鮮の核・ミサイル開発にどう対応するのか

 志位氏は、北朝鮮の核・ミサイル開発に国際社会がどう対応すべきかを2点にわたって強調しました。

 第1に、軍事対軍事の危険な悪循環をさらに深刻にする道ではなく、対話による解決に徹することが何より重要であるということです。

 志位氏は、3月3日に全会一致で採択された国連安保理決議が、北朝鮮への制裁強化とともに、「6カ国協議への支持と再開」を呼びかけたことを指摘。核・ミサイル開発を放棄させるために北朝鮮を6カ国協議という対話のテーブルにつかせるために「中国を含む国際社会が一致して制裁の厳格な実施、強化を図ることなど、政治的・外交的努力を抜本的に強めることが重要です」と強調しました。

 第2に、より根本的には、国際社会が本気になって「核兵器のない世界」への具体的な行動にとりくむことがいよいよ重要となっていることです。

 志位氏は、「核兵器禁止・廃絶条約の交渉開始の方向に進むことが、北朝鮮の核開発の口実を失わせ、核開発放棄を迫るうえで、いよいよ急務になっています」とその意義に言及しました。

アジア政党国際会議―核兵器禁止条約をめぐって

 志位氏は、アジア政党国際会議で採択された「クアラルンプール宣言」をめぐる日本共産党の対応について、二つの柱で報告しました。

 一つ目は核兵器禁止条約をめぐってです。

 志位氏は、過去2度の総会宣言で明記されていた「核兵器禁止条約の速やかな交渉開始」が欠落するという重大な後退が起こったため、日本共産党代表団が「宣言」に「部分的保留」を表明した経緯を踏まえ、中国の問題点について3点にわたって指摘しました。

 第1は、核兵器問題で中国に深刻な変質が起こっていることです。中国はある時期までは、核兵器禁止の国際条約を求めてきましたが、この数年は国連総会でも、核兵器禁止・廃絶の作業部会設置に核保有五大国(P5)の一員として頑強に反対するなどの変化が起こっています。志位氏は「少なくとも核兵器問題については、中国はもはや平和・進歩勢力の側にあるとはいえない」と述べました。

 第2は、中国共産党代表団が、自分たちの主張を押し付けるためにアジア政党国際会議の民主的運営を乱暴に踏みにじったことです。これらは「覇権主義的なふるまいそのもの」だという点です。

 第3は、今回の総会での中国共産党代表団のふるまいは、32年にわたる中国共産党による日本共産党への無法な干渉への反省の上に日中両党双方が合意文書(1998年6月)で確認してきた両党関係の原則とは相いれない態度であり、重大な問題だという点です。

 志位氏は、“社会主義をめざす国ぐに”―「社会主義をめざす新しい探究が開始」(綱領)された国ぐにについての日本共産党第26回党大会決定に照らして、「今回の中国共産党代表団の行動は重視しなければなりません」と表明しました。

 そのうえで、大局的にみれば、核兵器固執勢力は、世界の諸国民・諸国家の反核平和の声に追い詰められていると強調。「未来は、『核兵器のない世界』を求める国際世論と市民社会の運動の側にあります。ここに深い確信をもって、力を尽くそうではありませんか」と呼びかけました。

アジア政党国際会議―領土紛争の解決をめぐって

 二つ目は、領土紛争の解決についてです。

 志位氏は同会議で、領土に関する紛争問題の解決にあたって、(1)「力による現状変更」などを厳に慎むこと(2)「国連憲章と国際法の普遍的に承認された原則」に従うこと―を提起したことを紹介。中国が「国際法を基礎」として解決することを宣言に書き込むことに強く反対したのに対し、日本共産党が修正案を出すなど、多くの諸党がこれを明記するよう求め、最終的には「国際法を基礎として平和的に解決する」ことが宣言に明記されたと報告しました。

 志位氏は、「日本共産党は、中国に対して、東シナ海、南シナ海における力による現状変更の動きを中止すること、南シナ海問題での仲裁裁判所の裁定を受け入れることを強く求めます」と強調。「日本共産党は、半世紀以上にわたって堅持してきた自主独立の精神を発揮し、世界の平和と進歩のために、どんな大国に対しても、事実と道理にたって言うべきことは正面から言うという姿勢を貫く」と表明しました。


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