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2016年9月19日(月)

きょうの潮流

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 あの無言館の館長、窪島誠一郎さんが、くも膜下出血で倒れたのは昨年の暮れ。参院選で安倍政権の安保法制に反対する統一候補の擁立を呼びかけた「信州市民の会」の設立会見の場でした▼これまで政治を語ることが苦手だったという窪島さん。74歳の老美術館主を突き動かしたのは、今の政治のありようと、国会前でデモをくり返す若者たちの姿だったと。命を救われ、長野で統一候補が勝利したてん末は近著『手をこまねいてはいられない』に詳しい▼戦争法の成立からきょうで1年。強行を前後に暴政に抗(あらが)う市民の声は列島に響き、行動に立ち上がる勇気と運動に希望をもたらしました。参院選で実った野党と市民の共闘は大きな成果をあげ、新しい時代の到来を告げました▼たたかいは今も全国で。東京・中野では、市民と野党議員が「戦争やだね!」を掲げてパレード。ママや弁護士をはじめ老若男女が次々と集まり、青い風船やプラカードを持ちながら平和への思いを訴えました▼戦後の節目に亡霊のようによみがえった暗黒勢力を打ち払うには。政治学者の白井聡さんが本紙で語っています。野党の共闘とともに政治を動かし変える市民革命的なものにまで運動を高められるか▼内戦の南スーダンに11月にも派兵される自衛隊は戦争法に基づく危険な任務の訓練を開始しました。このまま進めば、やがてどこかで新しい「無言館」を建設する槌(つち)音が聞こえてくる、と窪島さん。戦地に向かう無念の声なき声を胸に、たたかいも新たに。


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