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2016年9月19日(月)

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人) 筆頭株主にズラリ

大企業株価 年金で支え

三菱UFJ・三井住友・ホンダ・みずほ…

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 公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が保有している株式(2037銘柄)のうち、時価総額ベースで1000億円を超す銘柄が72社にのぼり、GPIFが、うち33社の実質的な筆頭株主になっていることが、本紙の調べで、わかりました。いずれも日本を代表する大企業で、国民の年金で大企業の株価を買い支えている実態が浮き彫りになりました。


写真

(写真)GPIFが入居するビル=東京都港区虎ノ門

 GPIFは、7月末、2015年度の運用で5兆3098億円もの赤字を出し、最大の損失は国内株式で3兆4895億円だったことを発表しました。同時に、14年度の保有全銘柄(15年3月末時点)の保有株数と時価総額を公表しました。これまでは、どんな銘柄に投資していたのか、完全に闇の中でしたが、2037銘柄を保有、時価総額の合計は、31兆4671億2101万6796円にのぼることが明らかになりました。

 どんな株をどれぐらい持っているのか―。英語名によるアルファベット順に並べられ、46ページに及ぶ公開資料を調べると、時価総額1000億円を超す銘柄は、トヨタ自動車の1兆5499億円を筆頭に、72社(3・5%)をかぞえました。

 GPIFは信託銀行などに委託して間接的に株を保有しているので、各企業が公表する「大株主」名簿には登場しません。そこで、時価総額1000億円を超す72社について、公開された資料をもとに、GPIFが仮に大株主として記載されるとしたら、株主順位はどうなるかを調べてみました。

 すると、トヨタ自動車は保有比率5・4%で、株主順位4位でしたが、時価総額2位(8229億円)の三菱UFJフィナンシャルグループは7・7%で堂々の1位。三井住友フィナンシャルグループ7・8%、みずほフィナンシャルグループ7・7%と、三大メガバンクはすべて筆頭株主となります。

表:GPIFの保有銘柄上位10社の保有比率と株主順位

 このほか、電機、不動産、運輸、自動車、機械、商社などあらゆる業界のトップクラスの企業に及びます。(表参照

 72社中、GPIFが筆頭株主になるのは、半数近い33社にのぼります。1社を除いてほかの38社もすべて5位以内でした。

 GPIFが保有株を初めて公開したことにより、GPIFが多くの大企業の大株主として“君臨”している実態が浮かびあがってきました。

 GPIFは政府の全額出資だけに、GPIFの株式保有比率が高まれば、政府による民間企業への介入が起こりかねません。株主によるチェック機能も失われてしまいます。

 GPIFは8月26日には、16年4〜6月期の運用実績も5兆2342億円の赤字になったと発表しました。国民の年金を株式運用という形で、老後の安心を危険にさらすことは許されません。


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